新人職員が入職して数か月。指導者の中には、新人教育に頭を悩ませながら奮闘している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、看護師として働きながら子育てに奮闘してきた私が経験を交えながら、人を育てるために必要な3つのポイントについてお話していきたいと思います。
①できていることを「みつける」
みなさん、子育てや新人指導において「できている」ことに着目できていますか?私たちが普段当たり前のようにこなしていることでも、子どもや新人職員は難しいこともあるでしょう。きっと私たちも子どもの頃や新人の時はそうだったのではないでしょうか。
私も新人の時は、「仕事に行く」ことや「課題をこなす」ことだけで精一杯で、目まぐるしい日々を送っていました。新しいことを必死に覚えようと日々奮闘する中で失敗することもありましたが、それでもできないことばかり指摘されると落ち込み、自信を失うこともありました。一方で、できていることは限りなく少なかったと認識していましたが、ささいなことでもできたことを認められると急にやる気が湧いてきた思い出があります。
そのような経験から、まずは新入職員が自信をつけられるようにサポートすることが大切だと感じます。
そのためにもできないことばかりに目を向け指摘するのではなく「元気に出勤している」「元気に挨拶できている」など、できていることにまず着目してみると良いのではないでしょうか。
②できるだけ「見守る」
「失敗は成功のもと」という言葉通り、失敗することで「何がいけなかったのか」「次どうすればよいのか」を考えるきっかけになり、次につなげることができます。大切なのは次に失敗しないように、自分で考えることです。最初からこちらが方法や答えを提示してしまうと自分で考える癖がなくなり、考えることを放棄してしまう恐れがあります。
しかし、子どもや新入職員に対して、失敗させないようにと最初から手出し、口出しをしてしまっていませんか?失敗することは悪いことではないとわかっていても、どうしても先回りしてしまうことってありますよね。
もしかすると新人職員が失敗すれば指導者が責められてしまうこともあり、失敗させないように必死になっている方もいるかもしれません。
でも、人を育てるにはできるだけ「見守る」ことが大切です。最初に必要最低限のことを伝えて、あとは見守りましょう。問題が生じた時に、もし解決に悩んでいるなら一緒に考えれば良いと思います。まずは自身で体験し、考えさせる力を身につけるためにも「見守る」姿勢が大切です。
見出し③「ほめる」ではなく「認める」
「ほめる」というのは結果に着目し評価するもの。一方で「認める」ことは結果ではなく、過程や姿勢に着目することだと私は考えています。学校のテストを例に挙げると、点数に着目し評価するのは「ほめる」ことですが、頑張って勉強していた過程に着目し評価することは「認める」ことです。
ほめられたら嬉しいですが、頑張っても思うような点数が取れない時もあるでしょう。結果ではなく、頑張って勉強をした過程に着目しそれを「認める」ことが大切です。そうすることで、自分の頑張っている姿を見てもらえているという安心感と適切な評価をしてもらえたことで自信がつくと思います。
新人職員に対しても同じことではないでしょうか。もちろん、出来栄えも重要ですが、日々の仕事への取り組みや課題に取り組む姿勢にも目を向け評価することが大切です。本人の頑張っている過程を「認める」ことが大切ではないかと考えます。
まとめ
成長には「自信」をつけることが必要です。少しずつ自信がつけばおのずとできることも多くなっていくのではないでしょうか。そして、先輩たちは新入職員が自信をつけられるようにサポートしていきましょう。
子育てや新人教育で悩んでいる方。今お話した3つのポイントに注目しながら、関わってみてくださいね。
焦らず、ゆっくりやっていきましょう。
育児と仕事の両立の難しさを感じながら看護師として新しい働き方を模索中の訪問看護師。ちょこっとライター活動、介護士への研修や看護学校非常勤講師もやっている。