看護実習で大事なことをサッカーで例えてみた

 

最近のサッカー日本代表選手の海外での活躍はとても素晴らしいですね。サッカーにどハマりしている筆者が、看護学実習とサッカーの試合は通じるものがあると感じたので指導者目線で無理やり当てはめてみました!

理論的知識の基盤と演習の役割

看護学での概論や方法論は、ベナーが言及する理論的知識を学ぶ場所であり、サッカーでのルール学習に似ています。看護倫理や看護学概論は、サッカーの基本ルールを学ぶ段階と同じです。基礎看護学は、リフティングやパス、トラップなど、試合で使う基本的なプレーを一つずつ練習する段階に相当します。急性期や慢性期の看護の各論は、対戦相手に合わせた作戦やフォーメーションを理解する段階です。演習は、これらの理論と実践を結びつけ、チーム内での紅白戦として試合に向けた準備を行います。

実習の実践と実践的知識の獲得

実習は実践的知識を学ぶ場であり、初めての練習試合に参加するようなものです。いくら試合前にパスの練習をしても、対戦相手が予想通りに動くとは限らず、選手は即座に最適な解決策を見つける必要があります。これは、看護学生が現場で直面する不確実性と急速な状況変化に対応することに似ています。

指導者の重要性と学生の成長

実習指導者は、サッカーの監督やコーチに似た役割を果たします。彼らは、実践の場で学生を導き、適切なポジション取りや戦略を教えます。経験を積めば、一人の選手が自分の考えでピッチ全体を把握し、チームを動かしゴールに向かうことができますが、初めて試合に出る選手には経験が不足しているため、監督やコーチからの助言や指導が不可欠です。例えば、逆サイドでは看護師以外の職種のプレーヤーが目的達成の為に準備しているかもしれません。しかし、経験不足の学生などは全体を把握することができず、目の前の問題(目の前の敵プレーヤー)しか見えていません。そういった場合に逆サイドでの多職種にパスを出すことを教えるのも監督やコーチである実習指導者の役割であると考えられます。

急性期実習の特徴と課題

急性期実習は、治療の急迫性と患者の病態の急激な変化が特徴です。この環境は、速いペースで変わるサッカーの試合展開に似ており、看護師は迅速かつ適切な対応を求められます。看護師は、解剖学や生理学などの基本的な知識のほか、専門的な技術や医療機器の使用方法を習得しておく必要があります。

総括

いきなり練習を100%試合で出し切ることができるのは稀です。ほとんどの場合、練習と本番の試合のギャップに圧倒されるでしょう。学生はどうしても目の前の問題にいっぱいいっぱいになってしまいがちなので、客観的なアドバイスができるように教育者は関わっていく必要があるのだと思います。

執筆者
中野(看護師)

手術室、急性期病棟、ICUを8年へて大学教員となる。現在は基礎看護学を担当。プロ格闘家としてのみならずコンテスト入賞歴もある格闘看護師として活動中。高校時代はサッカー部でFWとGKを担当していた。