看護師として15年目を超え、後輩に対して思うこと

いよいよ看護師15年目以上になって、もう何年目かわからなくなってきた白石です。これからは5年きざみでプロフィール文を変えようと思います(笑)。

さて、先日メディッコメンバーのみややんや喜多さんが後輩や部下に対して思うことの記事をアップしてくれたので、私も後輩指導などで思うことをちょっと書いてみようと思います。

職場の後輩指導における私の立ち位置

私はこれまで、看護師として10年以上病院の小児科や整形外科などで働いてきて、プリセプターとして後輩担当を2回経験しました。転職の合間で派遣をして病院以外の仕事をバンバンやっていた時期もありましたが、看護師10年目頃から病棟勤務はパートに切り替え、兼業でライターの仕事を始め、現在は医療・看護系の媒体でコラム執筆や取材などを担当しています。

この記事を書いている5月半ば頃は、新人看護師さんが入職して1ヶ月ちょっと経ち、そろそろ職場の雰囲気に少し慣れ始めてくるころかな?いや、まだまだ夜勤もこれからで…って感じなのかな?迎える先輩にとっては、新人指導について「私なんかで大丈夫なのかな」と不安になったり、消極的な新人さんや礼儀やマナーが足りない新人さんに対して、「ちょっとあり得ない」と愚痴を吐きたくなったりとか、そういう時期なのかもしれません。

私の職場はちょっと特殊で新卒看護師を雇っていない病院なので、ここ数年は新人指導というものはしていないんですが、若手の看護師さんの入職のサポートはこれまで何人もいます。最近は直接指導することはなくとも、その職場での勤務や整形外科歴が長いこともあってメンター的な感じで見守る役割はずっと続いています。

最近働くなかで後輩に思うこと

いわゆる「最近の子」「いまどきの若い子」と言われる看護師3〜5年目くらいの子と働いたり、話したりする機会もあるんですが、いろいろと世間で言われていることはありますよね。「何を考えているかわからない」「やる気が感じられない」「仕事よりもプライベートを重視する」など。私の場合は、あまりそのことは真に受けてはいないというか、参考程度にはするけど、その物差しで見るようなことはしていません。…といっても人間なので、たまにそう見てしまうこともあるかもしれないという意識ではいます。

それに、複数の新しい人が入ってくると、なんとなく入ってきたメンバーによっての雰囲気とかありますよね。今年はのんびりメンバーだな〜とか。でも、よくよく関わってみると、当たり前にそれぞれのタイプはまた違うので、逆にこの人とこの人をペアにしたら面白い化学反応が起こるかもと考えたりすることもあります。

ただ、コロナ禍で実習ができなかったことや、小さいときから携帯やスマホが身近にあったなどのような社会現象とか生活環境などは参考にイメージするようにしていますし、本人に直接聞いてどんな風に考えているのかを聞いたりします。

気になる後輩の言動に対して自分のなかでどう捉えて、考えるか

とはいっても、やっぱり同僚や先輩で「最近の子はさ〜」「報連相がなくて困る」「積極性がなくてさ〜」という言葉が出てくることがあります。おそらく3〜5年目くらいのイキリ散らかしていた時期には私も同じようなことを思っていたと思うんです。

だけど、10年目くらいになってくると、後輩に対して思うことはかなり変わってきました。それは自分と向き合って、ちゃんと見返す機会が増えたからなんだろうと思います。いろいろ考えてみると、そういう愚痴の大半はわりと先輩側にも非があるのでは?ということも同時に思います。

たとえば、報連相がなくて困るというのも、「なんかあったら相談して」「なんでも声をかけてね」みたいに一見優しそうな言葉ではあるけど、実はほぼ投げやりなことを後輩に伝えていませんか。後輩からすると、まだ優先順位もわからない状況で、「これは相談していいことなのか」「こんなことで相談してもいいのか」と戸惑うことも多いでしょう。その想像をはるかに上回る状況に置かれていることを、先輩たちは想像できていないことも多いだろうと思います。

積極性がないというのも、単に興味関心がない、やる気がないのではなく、「これひとりでやっても大丈夫なのかな」「まだ○○もできていないのにこっちもやるのは不安があるな」などのリスクや不安を考えているがゆえに、動けなくなってしまっているようなこともあると思います。こうした結果の態度だけで「今年の新人は○○だ」と判断してしまうのではなく、どうしてその言動になったのか、後輩が対峙している状況がどんなものなのかを想像することなく判断してしまうのはもったいないことだと思います。

最近の子は…と思う反面、それは自分が変わってきたということ?

正直なところ、自分たちのときも似たようなことを言われていたんですよ。実は私も看護学生の頃からmixiやFacebookで日記みたいな感情の吐露を書くのが日常だったんですけど、新人のときに「もっと積極性がほしい」とか「何を考えているかわからない」みたいなことを言われたこともあって、今では信じられないと自分でも思います。

また、新人時代のときにイメージしていた10年目以上の先輩って、実際自分がなってみると全然違う!と痛感したので、たぶんそのあたりからもう真に受けなくなってきていると思います。そりゃあもうわからんわ…大前提がわからんってところから丁寧に関係性を築いていこうという気持ちになりました。

…と、いろいろ考えてみると「最近の子は〜」と思うということは、それだけ自分が変わってきたということでもあるのかもしれません。私はそう思うようにして、後輩の思考などは基本的には否定せず、いろいろ話を聞いて吸収していきたいと思っていますし、必要であれば私自身の考えなども話して、お互いに理解を深めていければと考えています。そんな私の雑感でございました!

執筆者
白石弓夏 (看護師)

小児科と整形外科の病棟で経験を積み、現在は看護師兼ライターとして奮闘中。病院外でも積極的に働き、いろいろ吸収している。メディッコではポジティブ担当。

Twitter:@yumika_shi