尺骨神経麻痺

読み方と意味

しゃっこつしんけいまひ
英:Ulnar Nerve Palsy
上肢の末梢神経障害の一つ。
高位麻痺では肘部管症候群や上腕骨顆上骨折後の遅発性麻痺があります。
低位麻痺では手関節部で圧迫されるギヨン管症候群があります。

メディッコ補記
高位・低位麻痺ともに手内筋の筋力低下が起きることから環指・小指のMP関節過伸展とPIP・DIP関節屈曲位を呈する「鷲手」となることが多いです。
MP関節の過伸展は低位麻痺ほど強く現れるため、鷲手変形も低位麻痺の方が外観上わかりやすい特徴があります。
一般に保存治療は無効と言われるので、尺骨神経の除圧術や機能再建も含めた手術治療が行われます。
尺骨神経領域の近く回復は正中神経よりも時間がかかると言われ、正中神経では術後2年で治療効果がプラトーに達するのに対して、尺骨神経では術後5年間は緩徐に回復し続けるといった報告も見られます。