第一回では、看護学生への指導では、実習要項で目的や目標を確認する重要性や役割分担についてお伝えしました。
今回は、受け持ち看護師として実際に看護学生に関わる際のポイントをお伝えします。
普段行っているケアをありのままの言葉で学生には伝える
第一回でお伝えした通り、師長クラスや教員と同じように指導ができなくても大丈夫です。
患者さんを一番間近で診ている立場から学生に指導をしてください。
難しく考える必要はありません。日頃患者さんについて考えていることや感じていること、その場その場での判断について、ありのまま言葉にして学生に伝えてください。
忙しいときは「対 患者さん」の姿を見せるだけでOK
また、必ずしも言葉にできなくても大丈夫です。
忙しくて説明をしている暇がないというのは往々にしてあります。そもそも言葉にして伝えるのが苦手という方もいますよね。
そんなときは、普段の関わり方、ケアの仕方をしっかりと学生に見せてあげてください。それだけでも学生にとっては貴重な体験で大きな学びになります。
学生も医療チームの一員としてみてあげる
学生が聞き出した情報をもとに患者さんについてディスカッションをするだけでも、学生にはとても勉強になります。必ずしも、何かを教える必要はないのですね。患者さんのことでしたら話やすいですよね。
また、学生が聞き出した情報や、学生が行なったケアを記録に残してもらうと、学生は医療チームの一員として認められた感覚を持てるので、モチベーションアップに繋がります。
これは受け持ち看護師さんにしか出来ないことです。
学生は非常に多くのことを学びとっているので安心を
皆さんがそうであったように、学生は非常に考える力をもっているので、皆さんから教わったことだけでなく一挙手一投足から感じ取ったことを自分の力に変えています。
現場に出させてもらうこと自体が、それだけで大きな学びの機会となるのですね。ですので、安心して気負い過ぎず学生に関わってください。
専門は糖尿病看護と老年看護学、「成人なのに老年」という掴みでやっています。未来ある看護学生の教育と臨床と研究を繋ぐ活動を行なっています。