就職後の登竜門?コメディカルの部署異動について語り合ってみた

就職してしばらくすると、部署異動やローテーションなど働く環境が変化することがありますよね。環境が変わることに不安を感じる人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、コメディカルの異動事情について語り合ってみました!

 

参加者

 くー(CE)
総合病院で働く13年目の臨床工学技士。さまざまな施設の勤務体制を経験している。

えだな(OT)
急性期病院で5年目のOTと漫画家は1年目。日々のストレスは漫画を描きながら消化している。

中野(Ns)
総合病院で4年目に一般病棟からICUへ異動。現在は、大学教員として活動中。

福地(Ns)
看護師8年目。フリーターになり看護師・カウンセラーとして気ままに生きる!

大平(PT)
理学療法士6年目。総合病院で科内と法人内の病院の異動を経験したことを座談会を通して伝えたい!

猫兄貴Fats(Ph)
薬剤師8年目、転勤のある病院だが未だ経験せず。その代わり院内の薬剤師ポジションは大体経験しつつある。

そもそも異動ってある??

くー(ME)

僕は今までいくつかの施設で働いてきたのですが、すべての施設でローテーションを経験しました。半年ごとに2ヵ所の部署を行き来したり、2~3ヵ月ごとに4ヵ所の部署を回ったりしていました。今の職場は毎日のように5ヵ所(5種類の業務)を回っています。他の職種でも、異動はありますか?
理学療法士も異動はありますよ。私のところは総合病院なので、リハビリ職が経験するであろう領域がほとんど揃っています。最初のうちは、経験を積むために半年〜1年ごとにローテーションをしていますね。今は感染対策の影響で制限していますが、以前は担当以外の病棟へヘルプに行くこともありました。

えだな(OT)

なかの(Ns)

 前職で働いていた総合病院では、看護師は3年を目安に部署異動をします。さまざまな科を経験させて、ジェネラリストを育成するためです。それ以降は、個々人のキャリアアップに重点を置くため、異動のスパンには個人差がありました。
僕は3病院渡り歩いていますが、どこの病院でも異動はありました。今の病院では2度ほど異動しましたが、異動のスパンや回数などは、一概に皆一緒とは言い切れない感じがありますね。

福地(Ns)

僕が前職で働いていた総合病院では法人内での異動があり、急性期~訪問リハビリまで幅広く経験できるようになっていました。そのため、2年に1度のペースで病期の異なる他病院をローテーションしていました。ほかにも、経験できる領域が豊富なため、基本のローテーションとは別に領域の異動もよくありました(例:急性期脳外科→整形外科)。

大平(PT)

うちは転勤のある病院ということもあってか、満遍なく経験できるように比較的短いスパンで部署異動があります。薬剤部のなかでも「調剤」「ミキシング」「DI」「病棟常駐」「治験」「製剤」などのように細かく分かれていますし、病棟の担当診療科も結構よく変わります。薬剤部内の部署では半年〜1年程度、病棟は1年〜1年半程度で担当が変わりますね。

Fats(Ph)

くー(ME)

それぞれの職種で異動ってやっぱりあるんですね!働く場所によっても幅広いんだね!

異動に向けての準備どんな準備してる?

なかの(Ns)

 僕が働いていたところでは、3ヵ所まで異動希望を出せました。僕は出していなかったので、夜勤前に電話が来て、異動の知らせを聞かされ動揺した記憶があります。発表から2週間くらいで異動になるので関連する本や、ポケットに入るタイプのアセスメントグッズを購入して慌てて準備していました。みなさんは、異動に向けての準備はどのようにしていますか?

くー(ME)

経験上、次に行う業務内容や異動時期は早めに知れたので、その分野の専門知識を学習する時間はありました。ただ、いくら学生時代の教科書や参考書を読んでいても現場で使えるかどうかは別問題なので、出たとこ勝負がほとんどでしたね。
私のところでは『全ての科を一通り経験する』が暗黙の了解であったので、希望の科に行くのはそれからでした。人数調整などの関係で、数ヶ月前に面接を行い、約一ヶ月前に異動の発表があります。なので割と準備期間があり、先輩に声をかけて雰囲気や事前に勉強しておいた方がいいことを聞いて、ぼちぼち準備していました。

えだな(OT)

僕の場合、希望の異動ではありませんが、週1日心理室で勤務させてくれるという条件で異動となりました。病院側の考えもあったとは思いますが、心理室の勤務希望は伝えていたのである意味希望が通ったのかとも思います。駆け引きだったのかな?と感じることもありますが。異動の10日前くらい前に言われたので、準備する期間はほぼない感じでした。

福地(Ns)

前職の病院では、希望の異動も可能ですが、異動する理由の多くは人員の関係でした。また基本的に、『急性期・回復期の経験と、2年に1回違う科への異動を6年間で経験する』というのがルールでした。異動先は2週間~1か月前に分かっていたので、そのタイミングで同期や先輩に行く先の情報を聞いていました。また1度異動先へ行き、半日ほど業務内容の説明とリハビリ見学をする時間がありました。

大平(PT)

僕のところも、ある程度希望は聞かれますが、当然全体との調整になるのであくまで参考程度です。薬剤部内の状況では突然の異動もあります。事前連絡があるときは大体1〜2ヶ月前くらいですね。求められる知識やスキルがそれぞれ全然違ったりするので、前任者から引き継ぎを受けたり、経験者にアドバイスをもらったりはできますが、前任者が予想外の転勤でいなくなるケースなんかは引き継がれたほうは結構悲惨な感じになっちゃいますね。

Fats(Ph)

なかの(Ns)

 なるほど。異動先の決定も病院によって違いますね。参考書の知識も必要だけど、異動先で働いている人から直接教えてもらうほうがよりわかりやすいですね!僕はちゃんと異動希望を出すところから始めます(笑)。

異動を経験することのメリット・デメリットは??

なかの(Ns)

 看護師は一般病棟からICUや手術室、外来に異動する時、転職レベルで業務が違うので驚きの連続でした。患者さんは病棟だけで関わっているわけでなく、ICUや外来でも繋がって入院や疾患との付き合いなんだと改めて感じて大きな学びになりました。みなさんは異動を経験して良かったと思うことはありますか?

くー(ME)

やはり経験を積めることですかね。違う現場で働くことで視野も広がると思います。「こんな考え方の人がいるんだ」「こんな世界もあるんだ」とちょっとした驚きにも出会えますね。
私も、経験値が増えることがいいところだと思います。また、働いてるスタッフの傾向もそれぞれなので、人間関係を構築する練習にもなります。「こういう人にはこういう対応が良さそう」「こっちの言い方のほうが伝わるな」など、仕事をするうえで必要な技能がより磨かれた気がします。

えだな(OT)

病棟によってやり方や患者さんの層も違うので、コミュニケーションの取り方も違って勉強になりますよね。新たな同僚との付き合いができるのも良い部分ではあると思います。また、違う病棟から自分がいた病棟がどう思われていたか、どう見られていたかを知ることができたのも、よい経験だと思います。

福地(Ns)

個人的には、他の領域や病期におけるリアルを知ることが出来て、知識の「点が線になる感覚」を味わうことが出来たのも良かったと思います。

大平(PT)

僕は、治療の流れを大きくみられるようになることがメリットだと感じています。部内の異動では、薬剤部の仕事が院内や制度のなかでどういう立ち位置なのか知るきっかけになりますし、各部門でしか触れられない薬剤や製剤の知識は薬剤師としてのベースになるものです。診療科を色々と経験することは単なるミニドクターにならず、薬剤師としての俯瞰した知識の習得に繋がったと思います。

Fats(Ph)

なかの(Ns)

 なるほど!みなさんも自分の経験値が増える部分がメリットと感じているんですね!逆に、異動することでのデメリットはないですか?

くー(ME)

やはり働く環境が変わるという事なので、自分が思っている以上にストレスを感じる可能性があります。なので、それなりの心構えは必要かもしれません。
そうですね。どうしても合わない人もいるかもしれないし、人間関係を構築する上でのストレスは大きそう。経験談ですが、そんな時は面接などでちゃんと「合わないです」と正直に伝えないと、思わぬ長期所属になるので注意です(笑)。

えだな(OT)

なるほど(笑)。僕も関わる領域ごとに、他職種との関わり方や病棟ごとの独自ルールに慣れるまでしんどさを感じました。それでも振り返ってみると、変わることのメリットの方が大きいと思います。

大平(PT)

ひとつの診療科を長く経験すると、その科のスペシャリストに近い存在にはなれると思います。ですが、逆にその知識は専門の医師がいる以上、日の目を見にくい部分でもあります。鍛えた武器を持って、別のフィールドに行くことで輝けることもあると思いますね。

Fats(Ph)

なかの(Ns)

 たしかに
異動というのは少なからずストレスになりますし、大変なことは多いですけれど、頑張って乗り越えれば自分の経験として血肉になると思って、慣れるまで頑張ることが大事なのかなと思います。

Fats(Ph)

まとめ
今回は、コメディカルの部署異動について語り合いました。働く場所によって期間やタイミングは違うようですが、ほとんどのコメディカルが何かしらの部署異動を経験するようですね。環境の変化などからストレスに感じることもありますが、さまざまな部署を経験することで、自分の視野が広がるということが、大きなメリットのようです。これから部署異動を控えている方はぜひ参考にしてください!