病院にはさまざま医療機器が多くあります。
そのほとんどは電源が必要で、壁にあるコンセントに差し込むことで使用できます。
しかし、医療機器には3Pプラグや2Pプラグ(以下の図参照)等の種類があります。
今回は日常的に使用している医療用電源プラグの種類と意味についてご紹介します。
緑色のアース(接地)線の役割は
アース(接地)線とは機器と大地(地面)を電気的に接続する線のことをいいます。
一般家庭のコンセントのプラグは、大抵2Pプラグが使用されております。
2Pプラグ以外に緑色のアースが付いているものもあります。台所やトイレなどの水を使用する場所、エアコンなど200Vのコンセントを使用する場合には、法律上必ずアースを接地しなければいけません。
それと同じように、病院内の医療機器も必ずアースを接地しなければいけません。
それは感電しないためという意味が込められています。
漏れ電流をおこさないためのクラス分類
電源を使用する機器は医療機器に限らず、漏れ電流(漏電)をおこす可能性があります。
そのため機器内部で、電気が極力漏れ出ないような絶縁構造をもたせることで、漏れ電流を出来る限り抑え、感電防止対策を行っています。
この漏れ電流の対策(感電に関する対策)によって医療機器はクラス分類されます。
病院で使用される多くの医療機器はクラスⅠに分類され、医療用3Pプラグで電源供給されます。
また絶縁をさらに強化したクラスⅡの分類では、一般家庭でも使用できる2P プラグになるため在宅医療機器などに多く使用されています。
安全設計の医療用プラグ
医療で使用される電源プラグやコンセントは一般の家庭や会社などで使用されている電気設備よりも耐熱性・耐衝撃性などを向上させ安全性を高めたものが取り入れられています。
3Pプラグの特徴として、接地刃(アース)部分は、電源供給端子より長く設計されています。
そのためコンセントに差し込む時に必ず先にアースが先に刺さり、コンセントから抜く時もアースよりも先に電源供給端子が抜けるように出来ています。
ちょっとした工夫ですが、使用者や患者さんが安全に使用できるような作りとなっています。
おわりに
普段何気なく使用している医療機器の電源プラグには安全対策が施されています。
しかし、使い方によっては故障する可能性もありますので、注意して使ってください。
現場でコンセントからプラグを抜く時に、電源コードを引っ張って抜いている人を見かけます。
しっかり電源プラグを持って引き抜いてください。
コードを引っ張るなどの横着を続けることで電源コードに断線が起こり、漏れ電流がアースに流れず感電する可能性もあります。
最後にアースが取れていない機器、接地刃が抜けている機器を見かけましたらお近くのMEまでご連絡ください。
透析技術認定士、3学会合同呼吸療法認定士。医療機器の分解点検が好きな臨床工学技士。院内外で活動し横の繋がり連携を心掛けています。メディッコではモクモク会担当。