昨今チーム医療の重要性が言われており、皆さんも現場では他職種と関わって業務をする日々かと思います。
現場で実際に関わることによってお互いの職種の理解が深まっていきますが、基礎教育の段階では他職種についてどのようなことを学んできているのでしょうか?
看護師国家試験の出題基準には「関連職種との連携」といった項目があり、他職種について学ぶことは必須となっています。
今回は、看護師基礎教育における「リハビリテーション」に焦点を当て、学習内容や方法についてお伝えします。
看護師国家試験では何を求められる?
看護師国家試験の出題基準ではリハビリテーションについてはどのような項目があるでしょうか。
医療関係法規の「理学療法士及び作業療法士法、言語聴覚士法」 にはじまり、「リハビリテーション看護」 としてリハビリテーションの特徴、国際生活機能分類(ICF)の概念といった概論の項目があります。
そして成人看護学、老年看護学、精神看護学、在宅看護学など各分野においても、リハビリテーションについての出題基準が設けられています。
看護に関連した問題はもちろん、リハ職種の名称についての問題など、かなり初歩的な部分も国家試験に出題されています。
では実際にどのように学んでいるの?
実際に学ぶ内容や機会については、学校ごとに特徴があります。
多くは成人看護学や老年看護学といった専門分野の中で、それぞれ疾患や年齢の特色と合わせてリハビリテーションについて学んでいきます。
また、そういった専門分野の他に、選択科目として「リハビリテーション看護」 を学ぶことができる学校もあります。
それらを看護教員が教授するだけでなく、実際に病院で働く理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に講義や演習をしてもらうこともあり、実際にリハ職種の視点を学ぶ機会も増えています。
もちろん実習で現場についても学んでいる!
看護学生は実習でも、リハビリテーションについて学びます。
受け持ち患者さんのリハビリを見学したり、病棟でも取り入れられるリハビリを看護計画として立案したり、実践を通してリハビリテーション看護を学ぶ機会が設けられています。
リハビリテーションの考え方や看護師の役割、そしてリハ職種の役割と連携についても考えていきます。
おわりに
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に関しては、看護師にとって他職種の中でも医師の次に馴染みの深い職種ではないかと思います。
講義や実習など基礎教育のうちから関わる機会があるので、就職後も関わりやすい職業と言えるかもしれません。
このように、各職種が基礎教育で他職種についてどのようなことを学んできているかを知るのも、多職種連携の一助になるのではないでしょうか。
専門は糖尿病看護と老年看護学、「成人なのに老年」という掴みでやっています。未来ある看護学生の教育と臨床と研究を繋ぐ活動を行なっています。
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