精神科で働いていますと、友人や知り合いから、「今、こんな状況なんだけど、これって病気かな?病院行ったほうがいいかな」と聞かれることがあります。
また、「精神科以外の医療従事者から、精神疾患を併発している患者さんに対してどのような声かけをしたらいいのか?」とも聞かれます。
精神科の病気って目に見える傷ではないのでわかりづらいですよね。
今回は、私の思う精神疾患についてのお話をさせていただきます。
「障害者」の定義について
昭和45年に障害者基本法において、“「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。”とされています。
ここで私が注目してほしい部分は「日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」という部分です。
この条文だけでは全ケースをカバーすることは難しいですが、私個人の解釈では日常生活や社会生活に制限を受けていなければ、“障害者“の枠組みには入らなそうです。
精神科に入院している患者さんはどこかしらに制限が出てしまった方です。
その制限がなくなるように整えていくことが病院の役割です。
自分自身の振り返り
どなたの人生の中でも気分の浮き沈みはあったかと思います。
沈んでいる時は、人生もう嫌だと絶望してしまったり、すべて放り投げてどこかに逃げてしまったほうが楽だと本気で考えたりします。
つらさの大小を比べることは難しいですが、僕は人生にて辛いことが起きた時に家族や友人に支えられていました。
なんとか乗り越えたものの、あとで思い返すと、あの時、メンタルやばかったなーなんて思い返します。
僕のこのケースは周りの支えがあったため、日常生活や社会生活にそこまで制限を受けず、病院受診するレベルに至ることなく平穏な日常に戻りました。
環境を整えることが大事だったりする
体調の波は誰しもがあって、このままだとまずいことになりそうだなとか本当に厳しいなという時は周りに目を向けることが必要です。
周囲の環境は物体だけでなく、人々もその一部です。
周りの人に支えられながらでも、日常生活に制限を受けなければ、受信しなくてもなんとかなりそうです。
生活していると、環境をうまく使えないことや、使ってもダメな時があります。
そんな時には、入院して心と体を一旦休めて、再度日常生活に戻ります。
入院はマイナスなことではなく、現状を打破するための一つの手段です。
まとめ
自分は精神疾患なのかな?って考えすぎてしまうと負の連鎖に落ちいってしまう、漠然とした不安に晒されてしまうことがあるかもしれません。
まずは家族や友人など、頼れる人たちに支えてもらいながら、日常生活に支障が出ないように過ごしてみてください。
それでもうまくいかない時には、精神科や心療内科を受診することも、1つの選択肢にしてください。
われわれ医療従事者は、患者さんの心と体を見ていますが、たまには自分にも目を向けてあげてくださいね。
広義での話ですので、もっと細かいところや偏見などの話もいずれ機会を見て書かせていただきたいと思います。
作業を通じてメンタルを整えていく方法を模索中。教育にも関心を持ち、精神科作業療法の啓発に力を入れています。