医療職は仕事柄、患者さんや医療機器、薬品に触れる機会が多くあります。『一処置一手洗い』と言うように、手指衛生を保つことが大切ですが、それゆえにとくに冬場は手荒れを起こしやすくなることも。もはや職業病とも言えますが、皆が使ているハンドケアは気になるところです。
そこで今回は、看護師、薬剤師、理学療法士でハンドケアについて話し合ってみました。
あみ(Ns)
助産師。この仕事を始めてから手の乾燥・荒れが悪化。ハンドケアで目指すは赤ちゃん肌!
S.O(Ph)
ケアミックス病院勤務の薬剤師。冬場の一包化で指を痛めやすい。
大平(PT)
理学療法士。冬だけでなく夏でもハンドケアは欠かせない。患者さんに触れるため手は綺麗にしておきたいタイプ。
普段、どのようなハンドケアをしているの?
あみ(Ns)
大平(PT)
あみ(Ns)
S.O(Ph)
あみ(Ns)
S.O(Ph)
あみ(Ns)
S.O(Ph)
あみ(Ns)
ハンドケアをするときのそれぞれのこだわりポイント
あみ(Ns) 私の場合は冬になると手が乾燥しがちなので、とにかく保湿力が高いものを選ぶようにしてます!あとはなるべく匂いがしなくて、赤ちゃんに触っても影響が少ないものを選ぶところもこだわりです。赤ちゃんに触れるときは、基本手袋着用なんですけどね(笑)
僕の場合は、冬だけでなく夏もハンドクリームを使うようにしています。あと匂いがないものを選ぶのは、僕もあみさんと一緒です。理学療法士は患者さんに直接触れる仕事なので、やはりガサついた手ではリハビリしたくないですよね。
大平(PT)
S.O(Ph)
あみ(Ns)
ハンドケアに何を使っているのか?
僕はしっとり感が好きなので、ハンドクリームとしてニベアを使ってます(笑)。 大平(PT)
S.O(Ph)
あみ(Ns) 私の場合は匂いがなくて高保湿のハンドケアとしては、ヘパリン類似物質配合のハンドクリームを使ってます。いわゆるヒルドイド(商品名)と同じ成分のもので、ドラッグストアで売っているものになります。
大平(PT) 僕の知っている範囲では、ヘパリン類似物質が尿素などの他剤よりも優れるという質の高い報告はなかったと思います。それはヘパリン類似物質が米国・英国では販売されていないため、データ不足が原因かと思われます1)。 ちなみに湿疹(乾燥肌、激しいかゆみ、炎症性皮膚病)を対象にしたコクランレビュー2)でも、ヘパリン類似物質を用いた試験はありません。 今回のハンドケアとは背景がやや異なりますが、参考になるかもしれません。 S.O(Ph) あみ(Ns) 大平さんの質問への私なりの答えですが、私自身が元々アトピーがあり、ヘパリン類似物質をほかの部位に使っていたので、手に使ってみたらとても使用感がよかったというだけなんです(笑)。 ほかにも、尿素入りのハンドクリームを使ってみましたが、匂いが気になりました。またワセリンなど、ハンドクリームによってはつけたときのベタつきが強く使用感がいまひとつと感じて、今使っているヘパリン類似物質配合のハンドクリームに落ち着きました。 大平(PT)
今回の座談会では、それぞれのハンドケア事情を聞くことができました。患者さんや自分の肌に合うものを医療職者の視点で考えて選ぶ方が多い印象でしたね。今回の座談会ではメディッコメンバーでの話し合いでしたが、ぜひあなたのおすすめのハンドケアについても教えてください!
また、あなたの職場の他職種とハンドケアについて話をしてみてはいかがでしょうか?
1)マルホ株式会社 ヒルドイドソフト軟膏0.3%インタビューフォーム2019 年 5 月改訂(第 15 版)
2)van Zuuren EJ, et al. Emollients and moisturisers for eczema. Cochrane Database Syst Rev. 2017 Feb 6;2:CD012119.