老人ホームで働く理学療法士のリアル

 

理学療法士の職域はかなり広く、どのような職場で働こうか悩む人も多いと思います。

そこで、老人ホームで機能訓練員として働いている理学療法士が、実際の現場についてご紹介したいと思います。

 

まずは自己紹介と職場の紹介

 

僕は、理学療法士として4年間高知県でも有数の総合病院で勤務(急性期整形外科・形成外科、回復期の脳卒中)していました。

休日には研修に積極的に参加していて、割と勉強熱心な方です。

そんな僕は理学療法士5年目のタイミングで転職をして、ケアハウス(老人ホーム)で機能訓練指導員として働き始めました

 

補足

機能訓練指導員とは?

「日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者」とされており、実際に利用者に対して機能訓練の方法等を指導し訓練を実施します。機能訓練指導員は看護師もしくは准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、鍼灸師の資格を持っている人が行うことのできる仕事です。

 

ちなみに機能訓練指導員が携わる領域は次の通りです。

・介護サービス

・通所介護(デイサービス。地域密着型含む)

・短期入所生活介護(ショートステイ。介護予防含む)

・認知症対応型通所介護(認知症デイサービス。介護予防含む)

・特定施設入居者生活介護(介護予防及び地域密着型含む)

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム。地域密着型含む

参考:介護人材関係についてー厚生労働省 P14-17

 

現職場は、上司はおらず専門職としては1人職場です。

職場には他に介護士・看護師・栄養士・生活支援相談員・ケアマネジャーが働いています。

また入所者の平均年齢は90歳、平均介護度は2.5程度となっています。

入所されている方の中には、整形外科疾患・脳卒中・内科疾患・精神疾患まで幅広く、そんな入所者の方々に僕一人で機能訓練(リハビリテーション)を提供しています。

 

理学療法士にとって施設で働くのはオワコン!?

 

理学療法士にとって施設といえば、「慢性期で機能維持を目的とした人が行くところ」「拘縮予防だけしてればいい」「もうリハビリテーションをしても意味がないんじゃない?」というイメージを持つ人が多いかも知れません。

実際、僕が施設へ転職する際に「やっぱり仕事は楽?」「施設に入ったってことはもう勉強しないの?」「もう施設に行くのか、あんなところにいったらもう腕をあげれないぞ」などなどいろんなことを言われました。

でも、現実は違うんですよね。

「こんなやりがいのある職場はないな。」と本気で思っています

 

施設で働く機能訓練員のやりがいとは?

 

・プレイヤーでなくマネジメントスキルを積める

・多様な疾患に対するアプローチ・知見を学ぶことができ、自分の経験として積める

・生活に密着できることで、リハビリ以外の時間でいかに利用者をよくできるかが学べる

・多職種といかに連携するか考える機会を得られる

・病院では一対一でのリハビリを学べたが、施設に来ると一対多数へのアプローチを学べる

・経営の視点を手に入れることが出来る

 

少なくとも現在、これだけのメリットを感じています。

きっとこれからもっとメリットが増えてくると思っています。

病院では学べなかった経験をさせてくれる施設が、オワコンなんて言って欲しくないですね。

特に経営の視点やリハビリ以外の時間をいかに充実させるか、もしくは生活の質を上げるかということは病院では実践しがたいことなのでこの経験は大きいです。

他にも、病院では専門職の人数が多いため、多職種連携をしたくても先輩の指示待ちになりがちでした。

一方で今の施設の場合、リハビリ専門職は僕だけです。

もう頭をフル回転させてああでもない、こうでもないって考えるんですよ。

この経験って病院の時だとやってるようでやれてなかったところなので、今はとても充実しています。

 

まとめ

 

施設で働く理学療法士はとてもやりがいのある職域です。

病院では得られない経験を積むことができるので、他の理学療法士とは差別化が図れるのではないでしょうか。

百聞は一見にしかずです。

みんな経験していないのにあなたに有り難くないアドバイスをしてきます。

あなたが理学療法士になってやりたいことはなんですか?

もしコラムを読んで気になったという方がいれば、ぜひ施設に見学に行ったり働いている人に話を聞いてみてください!

 

執筆者
大平拓巳(理学療法士)

理学療法士5年目。4年間総合病院で勤務後、現在は軽費老人ホーム(ケアハウス)で機能訓練員をしている。