診療放射線技師にできること

こんにちは、クラークです。診療放射線技師って専門職であるがゆえに活躍の場が限られるなというのは日々思います。そこで今日は「診療放射線技師って何ができるんだろう」ということを考えてみました。

放射線を使わない仕事が大事

診療放射線技師はその名称から、基本的に放射線を取り扱ってなんぼです。でも医療の現場全体を見てみると放射線を出す機会なんて限られますし、そもそも大型機器がないと放射線すら出せません。放射線を出さない仕事がどれだけできるのかを大事にすることは、今もこれからも生存戦略として重要です。

なにより「自分達は放射線という強みがある」なんて踏ん反りかえっちゃったりすると、他の職種と連携しようにも「相互理解」から遠のくことでうまくいくはずがないと思っています。

名脇役でいること

放射線を使わないで動ける場所とはどんな場面があるでしょうか。最もポピュラーな具体例をあげるとすれば急変時対応があります。

私は個人的にICLS(Immediate Cardiac Life Support:​​突然の心停止に出会った時にどう対処するかを学ぶコース)を学んでいるのですが、その学習内容には胸骨圧迫の他に気管挿管(挿管手技・介助)、除細動(除細動器の操作やショックの掛け方)、実際の場面を想定したシミュレーションを医師役として行う、などがあります。そもそも放射線技師は挿管なんて資格として行えませんし、除細動なんてかけれません。ベッドサイドで介助するのも実際は看護師さんが行うことが大半です。

それでもそれらの手技や流れを学んでいることによって、救急患者が運ばれるCT室や血管造影室に配置される救急カートを見て、挿管手技に使用される物品は壊れていないか、わかりやすい配置かどうかをチェックすることができるでしょう。たまたま緊急事態に居合わせた人が不慣れな場合、助言することだってできるでしょう。なにより、全体の流れを知っているからこそ、胸骨圧迫などを交代し、侵襲的行為ができる職種の手を空けることに能動的に切り替えることができると思います。

直接輝くことはなくても、縁の下で踏ん張ることで他の職種の力になれるでしょう。引いては患者さんに繋がっていくのです。

相互の理解へ至る道をどう舗装するか

日頃の自分達の業務が、自分達の職種だけで成り立っているわけはなく、必ず影で大なり小なり関わる人がいます。自分達も率先してその影になり、「お互い様」を意識しあうことは、日頃のちょっとした相談を行いやすくするのではないかと思います。専門職ではあるけれど、1人の医療人として、様々なことに積極的に関わることを恐れないでいたいですね。これを読んだ今日からでも、縁の下が“埃”にまみれているのなら“誇り”に変えてみてはいかがでしょうか。

 

執筆者
クラーク(放射線技師:RT) 

総合病院で働く放射線技師。何でも屋。コーヒー1杯とドーナツがあればなんでもできる!

Twitter:@klarrrk_man