とある日。メディッコ内のSlack(チャット)にて。
白石(Ns)
今日、注射をされたときに、「ちょっとチクッとしますね」と担当してくれた看護師に言われて、ふと気になったことがあります。患者さんに対して侵襲的な処置を行うことって、職種によってはよくある話だと思うんですが、痛みに対して、他職種はどういうことに気を付けて対応してるのかなと、気になりました! みんなどうしているか、教えてください!
大事なのは事前の声掛け!
注射のときって、看護師さんも初対面だし、うまいか下手かもわからんからけっこう恐怖よね。リハだと、痛みが伴う前にオリエンテーションするのは基本かな。目的とか、どういう動きをするかとか。
須藤(OT)
白石(Ns)
何されるかわからない恐怖…、たしかに。その前に説明するのはすごく大事ですよね!
ちょっと特殊かもしれないけど、理学療法士は身体に触る機会が多いから、そのときに指先ではなくて、指の腹で触るような工夫はするよ!接触面が広がって、痛く感じにくい!
喜多(PT)
喜多さんにしては珍しくPTっぽい発言!(笑)虫様筋にぎりとかやるよね!!
須藤(OT)
白石(Ns)
これが虫様筋にぎりだ!
喜多(PT)
白石(Ns)
僕はあまり、痛みを伴うことをしないのですが…。学校の実技で教わったのは、「もしかしたら、少し痛みが出るかもしれません。痛みが出た時にはすぐにおっしゃってください」との声掛けをするように習いました。目的とどのような動作をやるのかの説明も一緒に! 安心感を与える工夫として、いいなと思いながら授業を聞いていました。
坂場(OT)
白石(Ns)
あとは、リハ職が何も言わずに身体を動かして、患者さんが「痛い!」となると、揉めごとの原因にもなってしまうかもしれないので、リスクマネジメント的な面でも大事かも。喜多さんが言うように、触れ方も教わりました!
坂場(OT)
ほっち(ME)
私はカテーテル処置の際、心電図の電極を貼る時や局所麻酔の時、造影剤を入れる時、血圧計を巻く時などによく声掛けをしていました!
- 「心電図のシールを貼るから、ちょっとヒヤッとしますよ」
- 「血圧計をつけるから、ちょっとしたら腕が圧迫されますよ」
- 「造影剤を入れるから、体が少し熱く感じますよ」
って。その声掛けに対して患者さんも返事をくれるので、「何かあったらすぐに言ってくださいね!」と付け足すこともありました。患者さんにとって、「何かあったら言ってもいいんだ!」っていう環境作りは大事ですよね!
私も声掛けは気を付けています!「ヒヤッとしますよ」はよく使う!
かなこ(Ns)
白石(Ns)
おお~、やっぱり声掛けは大事ですよね。痛みだけではなくて、これからどんなことをするのか説明をして、同意を得て行うというのは、基本ですね!
逆に「今日はビシバシやりますからね〜(笑)」と言っておいて、ハードルを崩壊させるというテクニックもある(笑)。もちろん信頼関係あってこそと、関西ノリ限定ではありますが…!
喜多(PT)
白石(Ns)
医療者の緊張って、患者さんにダイレクトに伝わるから、内心緊張でガチガチでも、表面上は余裕をかましておくことも大事かな~って思う。
REN(PT)
ほっち(ME)
そうかも! あと、地方特有かもしれないけど、適度な方言は患者さんを安心へ導く気もしている…!
みんな、いろいろ気を付けてるんだね! 患者目線で考えても、そういう細やかな配慮をできる医療者だと、一気に安心するな!
喜多(PT)
子ども相手だと難易度アップ…
白石(Ns)
私、小児科もやってるのですが、小さな子どもに処置をする時、詳しく説明して同意を得るということができないので、代わりに母親に説明をするんですよね。本人には「ちょっとチクっとするよ」とは声を掛けるけど、緊急時は理解できないまま処置をすることもあるので、けっこう泣かれてしまうこともあって…。そんな時でも、処置の後にフォローして、好きなぬいぐるみやおもちゃを使って「頑張ったね、えらかったよ」と褒めるなど、気を付けていますね。それでもやっぱり、小児はちょっと難しいですけど。
喜多(PT)
子どもに何をするか伝えたら、急に「嫌!!!」ってなるから、説明し過ぎるのも逆効果なことがある気がする…。
かなこ(Ns)
白石(Ns)
そうそう、どこまで説明するかはけっこう見極めが難しいよね(笑)
子どもは難しいよね~。うちの子どもの通ってる小児科は、アンパンマン先生っていう名物医師がいるんだけど、注射打つ時に「アンパーンチ!!!」って言いながら打ってるよ(笑)。
REN(PT)
喜多(PT)
白石(Ns)
ああ、オペ室ではアンパンチが通用する子は、麻酔導入してからルート取るからなぁ…。
かなこ(Ns)
個人的に小児科の医師で「もしもししますねー!」って聴診器をあてるのも好き。あと、手で温めてから当ててくれるのも好き。
喜多(PT)
ほっち(ME)
アンパンチ、優勝ワードすぎる(笑)。雰囲気を壊さず、処置を終えられるのがいいね!
物理的に工夫していること
白石(Ns)
僕は、手にけがをした人をみることが多いので、工夫としては、手をのせるテーブルにタオルを敷いてからリハに入ることとかかな。タオルがないと、テーブルは冷たく、痛みがさらに増してしまうこともあるので。こういうちょっとしたことが、大切だと思っています。
須藤(OT)
白石(Ns)
そういう仕草からでも、患者さんとしっかり向き合っているということがわかりますね…!
PTでいうと、ベッド上で寝るときのポジショニングは大切だよね。クッションの微妙な高さや柔らかさ、体の向きを調整しないと、寝ていても体がこわばって、力が抜けなくなってしまう…。それだけで体はしんどいし、その状態で体を動かすと痛みが出やすくなることがある。あと、骨や筋肉の解剖学・運動学が頭に入っているから、手足を動かしても痛みの出ないように動かせると思う! 体を動かすときに関節の動き方を意識する職種なんだよね。
喜多(PT)
ほっち(ME)
私は冷え性なので、患者さんの身体に触れるときは、事前に手をあっためて触れるようにしてました!
白石(Ns)
処置を受けるときの姿勢も大事だし、そこはやっぱりPTさん強いですな~。クッションの絶妙な置き方がプロよね…。私はホッカイロみたいっていわれるので、よく握手されるやつや(笑)
薬剤師は患者さんの身体に触れない?
イサミ(Ph)
ちょっと話がずれてしまうかもしれないのですが、ひとこと言わせてください。元々薬剤師は「患者に触れてはならない!」と教育されてきたから、侵襲的な処置はほとんどないんですよね。6年制教育の開始辺りから徐々にフィジカルアセスメントとかが教育に盛り込まれてきたので、最近は少し変わってきているとは思うのですが…。結局今はどうなんでしたっけ?ぽりまーさん笑。
薬剤師はフィジカルアセスメントできますよ!でも、イサミさんの言う通り、教育現場では長らく法律がまげて解釈されて教えられてきたので、「やっちゃだめだ」と思っている薬剤師はまだまだ多そうです。それに、実際にできる現場も少ないですよね…。
ぽりま(Ph)
イサミ(Ph)
「できるけど、実際のやり方はわからない!」みたいなのはきっと多いですよね。自分は救命センターでそっと血圧を測ったり、Spo2測ったりするくらい。普段一般病棟では手を出せていないですね。
私も薬局にいるとき血圧計置いてあったけど、自分でやってねスタンスであった…。線引きむずかしいですよね。
ぽりま(Ph)
喜多(PT)
白石(Ns)
イサミ(Ph)
例えば、皮膚の薬とかをあつかうときに、患者さん見に行ったりするの?
喜多(PT)
ほっち(ME)
この前入院していたとき、病棟の薬剤師さんが服薬の説明しにきたよー!
イサミ(Ph)
最初はだいたい説明しますね!その後のモニタリングは個人差あると思います。(個人差は患者側だけでなく薬剤師側も)
ほっち(ME)
確かに担当の薬剤師さんによっては、最初だけの人、様子見るついでに話しにしてくれる人など、さまざまだったなぁ〜。
イサミ(Ph)
シフトの関係で最初だけの場合もあるけど、頻繁に来る人は間違いなく積極的な薬剤師だと思います!定期的に見るのは、明らかに使えなさそうな人とか、症状が全然改善しない時に特別に見に行く感じですね。
喜多(PT)
イサミ(Ph)
病棟にいる薬剤師を例にすると、ひと病棟50床くらいあって、担当1人なので1:50の比率で患者さんを見ることになります。全員の服薬状況を物理的に把握しに行くのは厳しいって感じですね。
痛みへの対応は職種ごとに工夫されていた
痛みへの対応って、職種間で共有しておくメリットがすごくあると思っていて。ここにクッション置くと良いですよ~って、それだけで患者さんの入院生活が楽になったり、採血のときに苦痛なく座っていられたりすると思うのよ。声掛けも同じでね。連携ってほどじゃないのかもしれんけど。
喜多(PT)
白石(Ns)
ガッツリ連携ってほどではないけど、他職種がいろいろ考えてやってくれたものを引き継いだりする場面では、こんな工夫をしてくれていると知っていた方がスムーズですよね!虫様筋にぎりとか(笑)、そういう声掛けもあるのか~と勉強になりました。自分でも出来そうなことは取り入れてみようと思います!ありがとうございました!