今アツい!!多職種連携で問われる薬剤師の役割とは?

病院にはさまざまな職種が働いています。それぞれに役割が違って、得意なことも違います。薬剤師の職能を活かすには、どうやって多職種と関わっていけば良いのでしょう。薬剤師らしい連携の方法をメディッコ薬剤師メンバーで話し合ってみました。

前回の座談会⇒病院薬剤師と薬局薬剤師はなぜわかりあえないのか

参加者

 Fats(Ph)
病院薬剤師。色々なチームに参加させてもらい多職種の凄さを実感している。

 S.O(Ph)

病院薬剤師。中小病院のため各部門スタッフが少なく、連携について方法を模索している。

 イサミ(Ph)
病院薬剤師。最近、普段関わりの少ない職種の情熱を感じ、燃えている。

 ぽりま(Ph)
薬局薬剤師を経て、医療メディアの編集部に転身。薬薬連携に悩んだ経験から、メディッコに加入した。

薬剤師から見る多職種はみんなカッコいい

イサミ(Ph)

薬剤師と普段関わる機会が少ない職種もめちゃめちゃアツイなって、メディッコにいて思うんですよね。皆さんは、医師・看護師以外と関わる機会はありますか?
 

僕は、管理栄養士と理学療法士とは関わることがありますね。

S.O(Ph)

 

ぽりま(Ph)

病院での他職種との関わりってどんな感じなのか、興味があります!
以前いた病棟では、管理栄養士との関わりがありました。とくに糖尿病患者さんの服用している薬や食事について、お互いに情報共有をしていましたね。医師のところに、一緒に相談しに行ったこともありますよ。単体で行くと聞いてくれないこともあるのですが、栄養士さんが一緒だと説得力が増して、助かるんです

S.O(Ph)

僕も経験がありますね。食道や咽頭部の放射線治療中で、固形物の摂取が難しい患者さんの食事を刻み食にできないかなど、食の形態について相談しました。また、僕はNSTに所属しているので、補液と食事のエネルギーバランスについて質問することがあります。何割の食事を取れていたらどれ位のエネルギー摂取になるのかというのは、薬剤師にはわからないので、助けてもらっていますね。

Fats(Ph)

ぽりま(Ph)

そんな細かいことまで相談できるんですね!
ほかにも、栄養摂取を医薬品と健康食品、どちらで補うかという話もしますね。選択できる種類や味、コストなどが変わってきますので。患者さんの希望や経済状況に合わせつつ、なるべく十分量の栄養が摂れるように調整する感じです。

Fats(Ph)

ぽりま(Ph)

なるほど。リハビリ職との関わりはどうですか?

当院のリハビリスタッフは、リハビリ時の痛みについてよく教えてくれますよ。例えば、体動時痛の出方を聞いて、鎮痛薬の調整を検討しています。痛み以外でも、眠たそうなどといったリハ時の情報を共有してもらっています。こちらからも、薬剤の変更がある際はあらかじめ情報提供して、その後の変化を教えてもらう感じですね。

Fats(Ph)

薬剤師の強みとこれからの連携

ぽりま(Ph)

よい例がたくさんありましたが、そういう他職種との連携って、どこの病院でもできているものなんですか?
僕のところでも、リハビリに大きく影響しそうな睡眠薬や向精神薬が変わったときにはリハ職に共有していましたね。リハビリスタッフからも、ふらつきを起こしそうな薬を飲んでないか相談を受けたことが何度かあります。軽いコミュニケーション程度ですが。

S.O(Ph)

気軽にコミュニケーションできる関係は理想的ですよね。薬が変わったときに、関係ありそうなところがわかると、こちらからもアプローチしやすいですし。

イサミ(Ph)

ぽりま(Ph)

メディッコにいて気付いたのですが、普段多職種が何気なくやっていることや、無意識に気を付けていることってたくさんあるじゃないですか?それを、理論に基づいて言語化できるのが薬剤師かもしれないなって思ったんです。
ほうほう。

イサミ(Ph)

ぽりま(Ph)

皆、目の前の患者さんに対して、それぞれの分野のスペシャリストとして関わりますが、薬剤師は薬の専門性に加えて、全体を捉えて俯瞰して見ることができるんじゃないかなって。
なるほど。

イサミ(Ph)

ぽりま(Ph)

つまり、薬剤師はベースとして医療・薬に関する知識を幅広く持っているので、さまざまな領域のにことがらに関してエビデンスベースで捉えられることできる職種ではないかと。それって、薬剤師の強みなんじゃないかなと思ったんです。いろんな職種のことを知ると、なんで今まで知らずに過ごしていたんだろうとショックすら受けました。お互いに役に立てることがたくさんあると思うんですよね。こういった強みを生かすために、能動的に動いていくにはどうしたらいいのでしょうか?
たしかに、薬剤師って現場から一歩引いて見ている印象があるんですよね。当事者意識がもう少し持てたら違うのかなって思うときもあります。普段から、依頼を受けて動くというパターンに慣れ過ぎているのかもしれないですね。例えば、「この人はこれが問題かもしれないから何とかしたほうがいいかも」と思ったとしても、きっかけがなければ動けないとか。

Fats(Ph)

ぽりま(Ph)

遠慮しがちですもんね・・・。でも、皆コミットしたい!って思ってるんじゃないですか?
僕はそう思ってますけどね。

Fats(Ph)

当事者意識はきっと、自信をつけるところから始まると思うんです。僕は以前、院内急変が起きても遠くから見ているだけしかできませんでした。ある日、一次救命処置(Basic Life Support)や二次救命処置(Advanced Cardiovascular Life Support)の講習を受ける機会があったのですが、偶然にもその翌週、院内急変が起きました。その時に、講習で習ったことを実践し、微力ながら貢献できた経験があります。こうした成功体験が自信につながり、当事者意識を生んでいくのかもしれません。まずは勉強したことを実践につなげて、自信を持つことが大事なのではないでしょうか。

イサミ(Ph)

まとめ
臨床現場では薬剤師だけで解決できないことだらけです。いい医療を患者さんに提供するためには、多職種連携が必須ですよね。薬剤師には薬剤師の強みがあって、それは自信を持って発信していくべきことだと気付きました。知識と実践経験を兼ね備えた医療者を目指し、共に頑張りましょう!

前回の座談会も見てね!⇒病院薬剤師と薬局薬剤師はなぜわかりあえないのか