放射線技師が語る!好きな撮影後の後片付け3選!

皆様、こんにちは!皆さんは日々の業務の脇役的な作業をどのくらい意識してますか?きっと大なり小なり好き嫌いがあるはずです。今日は放射線技師の世界の中でも、覗いてみないと知ることができない”後片付け”を3つ厳選してきましたのでご紹介します。

3位:一般撮影の股関節撮影後の後片付け

一般撮影は毎日多くの患者さんが来るため、非常に効率的な回転が求められます。撮影方法の中には後片付けが楽なものもあれば、そうでないものもありますが、比較的手数が多くなるのが股関節撮影です。その理由に、患者さんの撮影時には、様々な体位を取る必要がありますが、体勢保持を補助具などで補ったりする必要があるため、複雑な体位になりがちな撮影では補助具も多く使う傾向にあるからです。

補助具は使い回しのため、一回一回綺麗に保つ必要がありますが、もたもたしている暇はありません。なぜなら効率的な回転が求められるから!心の中では「ふふふ、おれのスピードについてこられるかな」ぐらいには思ってたりします。かつ、撮影部屋に次の患者さんが入った時に整理整頓されてなければ本末転倒!印象も損ないますし、果てには業務効率さえ落ちてしまいます。片付けのものが多くても棚の並びを美しくそして軽やかに整えていく。ふふふ。

2位:急性期脳梗塞の頭部MRI撮像後の後片付け

急性期脳梗塞はtime is brainと言われるほど、「より早く」が求められ、まさに時間との勝負であります。撮影のクオリティに関わるところはスピーディに拘りますが、ゴミがひとつ落ちたとか、不要な毛布を畳むとか、シーツが汚れたとか、命に関わる最中かまってる暇がありません。撮影時からも、一に素早く二に素早く、診断のキーポイントとなる撮像画像は優先的にカルテ側に送り、患者さんをストレッチャーに移し、終わった後はぐちゃぐちゃの部屋が広がっていることも少なくありません。

ですが、無事に最速で送り出した後は「やってやったぜ」感があり、誇らしい気持ちで片付けることができます。もちろんそんな中でも完全に気を抜くことはできません。慌ただしい撮像なので、小さな金属が気づかない内に誤って持ち込まれ、MRIの穴の壁面にへばりついてないか(次の撮影に影響するため除去する必要がある)、画像の送り忘れはないか、追加の画像処理はないか、予想外の所見はないか(あった場合は緊急に電話連絡をする)、患者さんや看護師さんの忘れ物はないか等を確認したりします。短い時間にプロフェッショナルが詰まっているのでやりがいを感じることができますね。

1位:整形手術後の外科用イメージの後片付け

最後の推しの後片付けは外科用イメージです。整形外科の手術においては「外科用イメージ」という任意に動かして好きな場所でX線を出して骨を観察できる小型の透視装置のような機械を用います。対となって、X線を当てたあとに画像が映し出されるモニターもあり、ちょうど鎖鎌のように外科用イメージとケーブルで繋がれています。患者さんの手術台を中心に、執刀医や助手の立ち位置や手術手技に邪魔にならず、かつしっかりと対象の部位にX線を当てられるところを選んで外科用イメージを配置します。そして執刀医が無理なく観察できるところにモニターを配置します。途中のケーブルも皆さんの足に極力引っかからないよう動線を気にします。多少入り組んでいても安全第一です。

当院で外科用イメージの片付けが始まるのは、手術の途中からです。骨を見たい肝心な場面が終わったり、あとは縫合だけの段階となれば片付けてもいいことが多いです。片付けといってもまだ手術は終わったわけではありませんので邪魔をするわけにはいきません。入り組んだ動線を周囲に邪魔にならないよう、時に床を這いながら丁寧にケーブルを片付け、片付けながらも患者さんに異常があったらすぐに機器を元に戻せる心の準備をしながら手術の様子を横目で見ています。気分的には「我は…隠密…影となり動き…目を光らす…ふふふ」という感じです。外科用イメージに血が跳ねていることもあるので、丁寧に拭き取りつつ、異常や破損がないかも見ていきます。機材置き場に外科用イメージを戻す時も最後にしっかりとロックをし、いつ地震が起きても人や周囲の機材に影響を及ぼさないことを確認します。最後にはやっぱり「やってやったぜ」感が胸を占め、スッキリとした気持ちになることができます。

おわりに

なかなかニッチな話でしたが、いかがだったでしょうか?皆さんの業務の中でも後片付けがあると思いますが、その思い入れやこだわりについて想いを巡らしてみるのも楽しいかもしれません!

執筆者
クラーク(放射線技師:RT) 

総合病院の放射線技師。整理整頓が好き。技術を磨くのも、職場を綺麗に保つのもプロフェッショナルの条件だと思っている。