いつ襲ってくるかわからない災害。そのために備えは常にしておかなければなりません。それぞれの職種では災害時にするべきことが色々あると思いますが、自分以外の職種がどんなことをやっているのか気になりませんか?そんな知識も備えておいてはいかがかな。皆に聞いてみたよ。ご覧あれ。前編です。
参加者
くー(CE)
総合病院で働く臨床工学技士。災害訓練など経験はあるものの、他職種の動きはまるで知らない。気になったので聞いてみることにした。
喜多(PT)
地域医療の現場で働く理学療法士。数年前に関西であった大きな地震の瞬間には車を運転していて、工場が爆発したのかと思った。
みややん(ST)
訪問事業所で働く言語聴覚士。数年前に職場近隣が数日停電した経験がある。
クラーク(RT)
総合病院の診療放射線技師。災害に関して関心があり講習を受けたりしている。
くー(ME)
今回は、災害時の働き方について聞いていきます。せっかくなので持っている知識をひけらかしていってください!
STでは、歯科にも絡んでくる話だけど、災害時に口腔内環境が悪くならないように口腔ケア用品を備蓄してます。もちろん、嚥下食の備蓄もしています。自治体やボランティアなどから配給されるものには、嚥下障害の方が食べられる物はないんですよね。そこでは、市販・常温でも保存できる食事のものを備蓄していますよ。
みややん(ST)
くー(ME)
災害時の口腔ケアセットや嚥下食の備蓄は頭になかったです。口腔環境は命にも関わると思ってはいたけど、災害の場面では浮かばなかったなぁ。
そういうアイテムを備蓄しておくことも災害対策だよね、言われないと自覚出来なかった。避難路とかのイメージが湧くけど、それも大切だよね!
喜多(PT)
そうそう。なので、災害時に食べるような市販の嚥下食を普段から食べてもらって、味に慣れるとかも必要なのです。
みややん(ST)
なるほど!慣れてもらっておくこと、たしかに大事だわ。当たり前のことのはずなのにね。
喜多(PT)
くー(ME)
ほんとだね。ちなみに、嚥下食を普段から食べとくのはハードル高いように思えるけど、プロテインでも大丈夫なの?あと、災害時とかに口内環境が悪くなることでの体への影響も教えてほしい!
プロテインは嚥下食とは言えない…笑。高カロリー食としてはなり得るかな。ただ、嚥下障害のある人に、筋肉増強目的で飲む粉っぽさのあるプロテインドリンクを飲むことは勧められないので、やっぱり他の手立てが必要ですね。口腔内環境が悪くなることが続けば、歯周病などの歯科疾患に繋がります。また、細菌増殖、それを誤嚥することによって誤嚥性肺炎のリスクも高まり、その他持病の悪化にもつながると言われています。
みややん(ST)
災害時となると一般の方でも出来るケアが必要となると思うんだけど、嚥下機能が悪い人に専門知識がない人でも出来ること、やっておくべきこと、ってなんだろ?
喜多(PT)
まったく知らない人が、というのはなかなか難しいと思いますね。やはり、普段からの家族指導がすごく大切になってきますかね。
みややん(ST)
専門知識がない人は出来ることがないってのも重要なポイントよね。普段の家族指導がそのまま災害時の必要なケアに繋がるという。
喜多(PT)
関心は持って欲しいけど、実際できることはない…ですよね。家族指導ってね、意外と伝わってないから、ここは強く訴えていきたいです。
みややん(ST)
くー(ME)
なるほど、課題はたくさんありますね。改めて話を聞いてみたいですね。それでは他の職種の働きも聞いてみましょう。クラークさんはどうですか?
クラーク(RT)
放射線技師です。大きく分けて2種類の災害対策があるので、説明したいと思います。…おっと、長くなってきたし、私の話は後編でやろうかな?
まとめ
今回はSTの目線から災害対策を話していただきました。口腔環境は大切で命にもかかわる、嚥下職じゃないと食事ができない人がいる…なんて医療者としては当たり前のことなのに、災害という側面から考えると抜け落ちてしまいますね。日々のケアが災害対策にも繋がることを意識して、働きましょう!