いろんな職種のいろんな認定資格を教えて!座談会

実は医療職種のなかには、いろんな認定○○という資格があるんです…!それぞれの職種に存在する認定資格がどんなものなのか?持っているメリットは何なのか?どれくらい難しいのか?など、メディッコメンバーで認定資格について話し合ってみました。

参加者

 みややん(言語聴覚士)
訪問分野に従事する12年目ST。転職前に認定言語聴覚士資格を得た。

 ロッソ(看護師)
ICU、一般病棟、回復期病棟を経験したNs。脳卒中リハビリテーション看護認定看護師を取得。

 Fats(薬剤師)
がん領域ばかりで過ごしている9年目。がん専門薬剤師と緩和薬物療法認定薬剤師を取得している。

 くー(臨床工学技士)
総合病院で働く臨床工学技士。実は認定を持っていないが、座談会にあえて参加していろいろ聞いてみたい。

 

みんなが持ってる認定資格はどんな資格?

くー(ME)

今回は認定資格の座談会ということで、いろんな職種の認定資格について聞いていきたいと思います。まずは、みなさんが取得している認定資格はどんな資格ですか?

摂食嚥下障害領域の認定資格、学習療法士、食生活アドバイザーなどを持っています。日本言語聴覚士協会が認めている認定資格は「摂食・嚥下障害領域」で、その名の通り、摂食・嚥下障害について高度な知識、熟練した技術を得て、業務の質の向上を図ることを目的に設置された資格です。

みややん(ST)

ロッソ(Ns)

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師(以下、脳リハCN)、禁煙サポーター、終末期ケア専門士、高齢者入浴アドバイザーを持ってます。やや資格マニア感は否めません…(笑)。その中でも、日本看護協会の認める脳リハCNは、脳卒中患者及び家族支援に特化した資格で、リハビリテーション看護の視点で超急性期から生活期の全てにフォーカスを当てています。

がん専門薬剤師と緩和薬物療法認定薬剤師を持っています。がん専門薬剤師は日本医療薬学会が認定する資格で、がん全領域において高い専門性と臨床経験があることを示す資格です。一方、緩和薬物療法認定薬剤は緩和医療薬学会が認定する資格で、痛みや苦痛の症状緩和やより良き終末期医療に貢献できる薬剤師であることを認定する資格です。

Fats(Ph)

くー(ME)

みんな凄いな!認定はひとつでなく、複数の資格を持っているんですね。そして同じ職種でも、違った分野の学会にそれぞれの認定資格があるとは…驚きです!

何で認定資格を取ろうと思ったの?

くー(ME)

いろんな認定資格が存在するみたいだけど、資格を取ろうと思った動機はなんですか?もし、僕が取るとしたら「給料が上がるかも?」などの理由しか出てきませんが(笑)、みんなはどうかな?

摂食嚥下障害については養成校でも勉強してきたんだけど、現場に出てみるとやはり奥が深かった…。働き出して経験を重ねるほど、もっと勉強したいと思ったんですよね。あとは、多職種連携が必須だから、周りの職種に劣らないようにと思ったのがきっかけです。

みややん(ST)

くー(ME)

ふむふむ、純粋にスキルの向上が目的だったんだね!

ロッソ(Ns)

私は脳外科手術に力を入れている病院で勤めていたため、脳疾患患者さんを多く看てきました。最初は摂食嚥下分野の認定を取ろうと思っていたんだけど、嚥下障害が起こる人の多くは脳卒中だったこともあり、原因疾患である脳卒中リハビリテーションを深く勉強したいなと思いました。そして、半年間休職して教育課程を受講しました。また、5年毎に更新が必要な資格になります。

がんの領域でずっとやっていて、更に緩和ケアも好きだったので、取得を目指してみました。手当がつく可能性があるし「取れたらかっこいいかな…」というのが最初の動機だったと思います。どちらも5年毎の資格更新時に適切な患者介入ができているか、自分が処方に介入した症例サマリを提出する規定もあり、正直楽ではありません。だけど、取った以上は維持したいと考えているので、数年後に症例に追われる日々を過ごすんだろうなと覚悟しています(笑)。

Fats(Ph)

くー(ME)

働いているうちに自分のやっている仕事が好きで、知識を深めたいと思ったんですね。まさに「好きこそ物の上手なれ」というやつだ!資格を取るだけではなく、頑張って維持しているのがすごい。

認定資格を持っていて良かったこと。

くー(ME)

認定資格のメリット、聞きたいですね!給料は上がる?それとも職場での地位に影響が出る?やっぱりそこが気になる(笑)。

それでお給料がすっごく上がるとかは、残念ながら……それはない(涙)。でも、「勉強したから!」と自信を持って対応できることが増えました。

みややん(ST)

ロッソ(Ns)

看護師の認定手当は施設によってまちまちですね。フィジカルアセスメントや心理的支援など、自信を持ってできるようにはなりました。あと、看護学校や関連施設で講義や講演する機会をもらえたのは大きいかもです。

くー(ME)

給料面は認定資格の種類によって違うんですね。自分の職場に確認してみてもいいですね。それにしても、自分の仕事に自信が持てるって素晴らしいことです。それだけでも認定資格を取る意味がありますよ。

一部給与が上がる施設もあるようですが、うちはそこまで変わるわけでもないです。やっぱりがん専門・緩和認定というからには、自己研鑽しなければと思う意識付けにはなっています。ただ、今している仕事のポストに就いたのは資格のおかげもありますね。「各がん領域で、一定水準の知識はあります」というのが一目でアピールできるのは売りになるのかもしれないです。

Fats(Ph)

くー(ME)

なるほど。給料が上がらなくても、別の部分で自分の可能性を試す機会を得ることができているようですね。これは完全にメリットだと感じました。

こんな認定あるよ!面白い認定あったら教えて!

くー(ME)

それぞれの職種が取れる認定資格で、実はこういうのがあるよ!というものがあったら、知りたいです!

日本言語聴覚士協会認定の資格は失語症、聴覚障害などいくつかありますね。通信教育(ユー〇ャンなど)でも仕事に役立つような資格は多いです。私は介護食アドバイザーというものを持っていて、介護食の調理方法などを勉強しました。実際に私たちが介護食を作って提供することはないけど、食事形態の調整を考えるときに役立ったり、ご家族の方にアドバイスすることに役立ちます!

みややん(ST)

くー(ME)

ユー〇ャン!その資格なら仕事を辞めた後でも生活に役立ちそうですね。

ロッソ(Ns)

新しい資格でいえば、2020年からスタートした終末期ケア専門士というのがあります。ホスピスや緩和ケア病棟だけじゃなく、医療者として知っておくべき知識がまんべんなく勉強できるため、多死社会を向かえるこれからの時代には、重要だと思います。この資格は、メディッコメンバーにいる職種(看護師、薬剤師、PTOTST,臨床工学技士、歯科衛生士、管理栄養士、放射線技師)でも経験が2年以上あれば受験資格があります。

薬剤といえば医薬品情報!日進月歩で飛び交ういろいろな情報の質や意義を評価して、管理するのも薬剤師の大事な仕事なので、医薬品情報専門薬剤師という資格もあります。ケアや治療そのものではなく、医薬品情報に焦点を当てているあたり、ちょっとめずらしいかもしれません!

Fats(Ph)

くー(ME)

終末期ケアは注目されている分野ですし、僕でも興味あります。医薬品の情報を専門に扱う認定資格っていうのもすごいなぁ…。めずらしいかもしれませんが、その専門知識を正確な情報として求める人がいるからこそ成り立つ資格なのでしょうね。

まとめ
今回はさまざまな分野で活躍するみなさんに認定資格について教えてもらいました。一つの職種のなかでも、かなり多くの認定資格が存在するようです。特定の職種に限らずに取得できる資格もあり、ご自分の職種に関連した資格にどんなものがあるのか、調べてみるきっかけとしても良いかもしれませんね!