実物でお試しできます!福祉用具貸与の世界(1)

平素よりお世話になっております、福祉用具専門相談員として働いている理学療法士の喜多です。今回は福祉用具貸与では常識の、福祉用具「デモ」についてお話しします。

そもそも福祉用具って…

福祉用具貸与とは、要介護状態になった方が安全に生活できるように歩行器や車いすの貸出しを行うものです。しかし、歩行器と一口に言っても、たくさんの種類があります。

福祉用具レンタルカタログというものを見たことがある方は知っているかもしれませんが、ひとつのカタログには20から30の歩行器が掲載されています。それでもあれはごく一部であり、実際に取り扱っている歩行器はもっとたくさんの数があります。やはり利用者さんの体の状態やお家の状態によって適切な福祉用具は異なるため、福祉用具専門相談員が吟味してぴったりの歩行器を選ぶのです。

使ってみなければわからない

しかし、そんなにたくさんある歩行器。いくら福祉用具専門相談員がベテランであっても、選んだそのひとつが本当にその人に合ってるかは、使ってみなければわかりません。そのため福祉用具では「デモ」が行われます。これは言葉の通り、福祉用具を一回使ってみて本当に適合するかを確認するというものです。

多くの利用者さんが約1週間「デモ」として利用して、別の歩行器を使うか、「デモ」で使用した歩行器を使うかを決定します。ちなみに、歩行器だけではなくて車椅子や手すりといった福祉用具も「デモ」は行われます。

何がいいかは福祉用具専門相談員に相談して

福祉用具専門相談員として働いていると、「これをデモで…」とリハビリ職や看護師さんからお願いされることがよくあります。しかし、現場では「その選定はよくないよなぁ」と思うことが少なくありません。やはり、リハビリ職や看護師さんは福祉用具のプロではないため、様々な福祉用具の中からばっちりの一品を選べるわけではありませんよね。なので、体や生活の状態を福祉用具専門相談員に相談していただき、一緒に福祉用具を考えていただけると助かります。

 

執筆者
喜多一馬(理学療法士/代表)

言わずと知れたメディッコ代表。

Twitter:@rehamame