就労支援という言葉はよく聞くけれど、いまいち何をやっているかわからない!あのAとかBとかあるやつ?など、最近さまざまな疑問を聞きましたので、厚生労働省の文言を引用しながら、障害者総合支援法に基づく4つの就労系障害福祉サービスについて簡単にお話させていただきたいと思います!
坂場(OT)
就労移行支援
就労を希望する障害者であって、一般企業に雇用されることが可能と見込まれる者に対して、一定期間就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。
ー厚生労働省「就労系障害福祉サービスの概要」より
こちらでは給料は発生しませんが、働く時に必要なビジネスマナーやスキルを身に着けられるように、各事業所でさまざまなプログラムが取り組まれています。
対象となる方は一般企業への就労を目指している方々なので、基本的に18〜65歳未満の方々です。利用期限が定められており、原則として24ヵ月までの利用となります。
また、就労後6ヵ月までは就労移行支援サービスによる職場定着支援を受けることができます。仕事をするまでと仕事を始めた後の半年間のサービスを提供しているのが、就労移行支援です。
就労継続支援A型
一般企業に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、雇用契約の締結等による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供を行います。
ー厚労省「就労系障害福祉サービスの概要」より
就労Aに関しては雇用契約を結んでいますので、就労の時間も定められています。しかし、一般企業での就労とは違うため、4~8時間程度と幅があります。雇用契約を結んでいるため、基本的には各県で定められている最低賃金を上回る給料が発生します。こちらは利用期限はありませんが、雇用契約を結ぶため、原則として18〜65歳未満の方が対象となります。
これは就労しながら必要な知識や技能を身につけて一般就労に向けての支援を目指していくというサービスです。
就労継続支援B型
一般企業に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供を行います。
ー厚労省「就労系障害福祉サービスの概要」より
ここでは雇用契約を結んでいません。そのため、週に2日利用する。など、利用者自身の体調に沿って利用することができるというメリットがあります。しかし、雇用契約を結んでいないため、最低賃金は保証されていません。こちらも利用期限はなく、年齢による制限も設けられていません。
こちらも就労しながら、必要な知識や技能、長い時間働けるような体力を身につけ、就労継続支援A型の利用や、一般就労を目指していくサービスです。
就労定着支援
就労移行支援等を利用して、一般企業に新たに雇用された障害者に対し、雇用に伴う生じる日常生活又は社会生活を営む上での各般の問題に関する相談、指導及び助言等の必要な支援を行います。
ー厚労省「就労系障害福祉サービスの概要」より
こちらは上記3つとは少し異なり、就労をしている方のサポートを行います。就労をしてから6ヵ月までは1つめに紹介した就労支援事業所による職場定着支援が受けられます。しかし、その後もサポートが必要という方の援助をするのが就労定着支援のサービスです。利用者の自宅や企業に訪問をしています。利用期限は3年間です。
働き始めた後、就労が継続できるようにサポートをしていくサービスです。
終わりに
就労系障害福祉サービスについて簡単にまとめてみました。制度を知っておかなければ使うことはできませんので、業務ではサービスに関わっていなくても「こんなサービスがあるんだなぁ」程度でも、頭の引き出しに入れておいていただければ、必要になった時に取り出せるのではないかと思います。
作業療法士国家試験にはこのサービスの違いを理解しているかを問う問題がでます!他の職種ではどうなのか存じ上げませんが、精神科医療は地域移行の流れが進められています。今後、この知識が必要な場面も出てくるかもしれませんね!