医療系国家資格の中でも比較的新しい資格の「臨床工学技士」。
病院ではMEやCEなどと呼ばれています。
ME(CE)は病院でも見かけるけど「どんな仕事をしているのか分からない」、「そもそもどういう資格なのか?」という方も多いのではないでしょうか。
今回は現役の臨床工学技士が臨床工学技士はどんな資格なのか?どういう仕事をしているのか?を解説します。
臨床工学技士の定義
1987年に「臨床工学技士法」が制定され、臨床工学技士が生まれました。
日本全国の臨床工学技士が集う日本臨床工学技士会HPにその定義が記載されています。
医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行う事を業とする医療機器の専門医療職種です。
ちなみに生命維持管理装置とは臨床工学技士法に定義が記載されています。
第二条 この法律で「生命維持管理装置」とは、人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部を代替し、又は補助することが目的とされている装置をいう。引用:臨床工学技士法
簡単に言うと、臨床工学技士は「医療機器の専門家」です。
現代の医療では欠かせない医療機器を安全に使えるように点検や管理を行っています。
平成29年のデータによると、病院で働いている臨床工学技士は全国に21,184人いるとされています。
現在はこれより増加していることが予想されます。
ちなみに医師は217,567人、看護師は805,708人なので医療従事者の中でも人数は少ないです。
臨床工学技士の仕事は点検だけじゃない
臨床工学技士は医療機器の専門家と言いましたが、点検だけが仕事ではありません。
臨床工学技士の主な業務は大きく分けて2つあります。
1つ目は医療機器を安全に使用するための「保守点検・管理業務」、2つ目は実際に医療機器を使って治療や検査を行い、補助・介助をする「臨床業務」があります。
業務の内容は病院などによって様々ですが、臨床業務を行いつつ、空いた時間を使って医療機器の点検を行う場合が多いです。
様々な分野で活躍する臨床工学技士の臨床業務の種類
臨床工学技士の臨床業務は大きく分けて3つあります。
・血液透析等を行う血液浄化業務
・人工呼吸器の点検や管理を行う呼吸療法業務
・人工心肺の操作等を行う循環器系業務
近年では新しい医療機器や治療法が増えており、更に業務内容が拡大し、多岐に渡り活躍しています。
図1.臨床工学技士の業務内容の例
(臨床工学技士の業務ー公益社団法人 日本臨床工学技士会HPより引用一部改変)
まとめ
今回は臨床工学技士の定義、人数、業務内容を解説しました。
自分の職場に臨床工学技士はいるのか?どんな仕事をしているのか?を是非調べてみてください。他の職種を知ることが多職種連携の一歩になるはずです。
参考サイト
1)平成29年(2017)医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況
透析技術認定士、ME1種技術者。専門は慢性血液浄化。学会発表、論文作成など学術にも力をいれている。データ分析担当。