在宅初心者でも安心!今やるべき災害への備え

こんにちは。訪問看護師3年目のあずまっちです。いきなりですが、在宅現場で災害が起きた時、あなたはどうしますか? 在宅では、病院と違って定期的な避難訓練などはなかなかできません。だからといって、実際に“その時”が来てから考えるようでは、患者さんの安全を確保することは難しいと思います。

今回は、新しく在宅現場で働く人に向けて「今やるべき災害への備え」について、私の新人時代の経験を交えてお話したいと思います。これでアナタの災害対策はバッチリ!!

①マニュアルの場所だけでなく内容もしっかり確認しておこう

災害や医療安全についてのマニュアルは、どこの職場にも存在するはずです。しかし、それがどこに保管されていて、どういう時に何を見ればいいのかを知っていなければ、いざという時に適切な対応ができません。

私自身、入職して間もない頃、大型台風に見舞われ慌てた経験があります。不安な中、手近にあったマニュアルを確認するも、その時に必要だった災害時の連絡手段や患者情報などはわかりませんでした。後から確認したところ、別の場所に違うマニュアルとして保管されていたそう。

このように、マニュアルの中身まで把握できていないと、いざという時に役に立ちません。災害はいつ起こるかわからないものです。後回しにせず、入職したらすぐにマニュアルの場所と内容の確認をしておく必要があります。そして不明な点は必ず管理者へ確認しましょう。

②訪問したことがない患者さんの情報も把握しておこう

災害時マニュアルの場所と内容が確認できたら、次に大切なことは患者情報の把握です。入職して間もないころはとくに、他スタッフが担当しているまだ訪問に行けていない患者さんの情報もカルテなどで確認できるとよいです。

全員の把握が難しい場合は、人工呼吸器や在宅酸素を使用している医療依存度の高い患者さんをリストアップしてもらいましょう。また、インスリン自己注射や、麻薬管理をしている患者さんは、医師からの指示を確認しておく必要があります。災害時、患者さんの家に駆けつけたとしても、情報がなければ対応できません。もし何かあった時に慌てることがないように、日頃から患者さんの情報は頭に入れておくと安心です。

時には命に関わる現場なので、新人だからわからない、できないというのは許されません。特に災害時は現場が混乱しがちで、他のスタッフも焦っていることがあります。「その時になったら、また聞けば良いや」という気持ちではなく、何か起こっても自ら率先して動けるように基本的な備えは大切です。

③災害時を想定した訪問バッグを備えよう

災害が起こった時、自分の安全が確保されていないと支援はできないので、まずは自分の身を守ることも考えましょう。そのために「訪問バッグ」を活用することをお勧めします。日々持ち歩いている訪問バッグには、いつでも緊急対応ができるように、必要最低限の物品を準備しておいたほうが良いです。

例えば、プラスチック手袋やビニール袋、タオルなどの消耗品は多めに持っておき、使った後は補充する習慣をつけます。懐中電灯や軍手などの備品もあると便利です。また、患者宅の地域によって避難場所や避難経路が異なるため、携帯用防災マップの準備も忘れずに。

まとめ

災害時、人命救助は医療職として大切なことです。しかし、私達のすべきことは自分の命も守りながら救助を行うことなのです。いざという時に慌てないよう、日頃から十分な備えをしておきましょう。

執筆者
あずまっち(Ns)

育児と仕事の両立の難しさを感じながら看護師として新しい働き方を模索中の訪問看護師。ちょこっとライター活動、介護士への研修や看護学校非常勤講師もやっている。