医療オリンピックボランティアって何をするの?!

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は無観客での開催となりました。元々ボランティアも多数応募がありましたが、コロナ渦などで辞退する方も多くいらっしゃいました。それでも、メディカルスタッフのボランティアは必要になります。今回はメディカルスタッフ(看護師)はどんなことをするのか、準備しているのかを見ていきましょう。

どこで募集されるの

看護師のメディカルスタッフは日本看護協会を通じて推薦してもらい、メディカルスタッフとして登録することになります。

推薦されるとオリンピック事務局からオンライン登録もしくは手書きでの登録を行います。登録内容は氏名や生年月日、住所などの基本事項のほかに麻疹、風疹などの抗体検査や予防接種の有無、語学力(英語)のレベルや、医療資格などを登録します。さらに、ICLSやAHAなどの資格登録もあります。これらの資格を持っていることで、受講する必要のある研修が少なくなります。

資格や看護師免許などは写真などのファイルで送ることになるのでしっかりと確認、登録されています。

どんな研修を受けるの

研修は大きく「競技会場・非競技会場」スタッフと「選手村」スタッフの2種類に分かれています。それぞれ担当になった役割に応じてe-ラーニングで研修を受けます。

この2種類の研修は内容的には大きな差はありませんが一部「選手村」スタッフの方が内容が少なくなっています。

共通している内容としてオリンピックの歴史と意義、そしてボランティアスタッフの重要性の説明があります。その他には、メディカルスタッフとして、感染対策や熱中症、CPRやAED等の医療的な内容のものやオリンピック内で使用される特有の言語やコミュニケーション、ドーピング検査時の対応などの研修があり非常に多岐に渡ります。

競技会場・非競技会場」スタッフの研修では、会場や各競技についての知識や医療サービスについて、緊急事態発生時の流れや相談等口などの研修がオンラインで受講します。

感染対策はどうなってるの

COVID-19の世界的な流行により東京2020オリンピック・パラリンピックは1年間の延期となりました。

メディカルスタッフの感染対策としてはPPE(個人用防護具)は組織委員会が準備してくれます。その他、PCR検査などはメディカルスタッフには義務付けされていません。また、ワクチンについては組織委員会が準備するということはなく個々での接種となっています。

ワクチン未接種だからといってボランティア参加ができないということもありません。

活動の連絡はどうなってるの

先に述べた活動場所ですが原則3日以上連続で活動可能な場所を選択することになります。

また、追加で募集されたスタッフは1週間くらい前にメールで業務内容と競技などの連絡が来てエントリーします。ちなみに交通費は決まっていて1000円/日になります。

駅が50キロメートル以上離れている、始発でも集合時間に間に合わないなど一定の条件であれば、前日からの宿泊が認められることもあるようです。

活動内容は例えばどんなものがあるの

活動内容は先に述べたように同じメディカルスタッフといっても様々な活動があります。

例えば選手用隔離室の対応などがあります。これは、体調不良や熱発がありCOVID-19の感染が疑われる場合には隔離室へ行くことになりそちらで待機するといったものになります。

活動時間は協議にもよりますが7:30~19:00までで3日間などの活動があります。

このような隔離室や役割が会場ごとに設定されています。

おわりに

コロナ渦のなかオリンピックですが、選手が全力で競技に挑めるのもメディカルスタッフだけでなく様々なボランティアの方々や役割の人々で成り立っています。

選手それぞれが力を出し切れることを祈っています。

執筆者
中野 
手術室、急性期病棟、ICUを8年へて大学教員となる。現在は基礎看護学を担当。プロ格闘家としてのみならずコンテスト入賞歴もある格闘看護師として活動中。