第3回:実習で看護学生にどう指導すればよいの?~他職種から何を伝えてあげられる?~


前回までは、看護師が行う看護学生への指導についてポイントをお伝えしてきました。

看護師に限らずセラピスト等他職種も看護学生と関わることがあるでしょう。

そこで今回は、他職種が看護学生へ指導をする際のポイントをお伝えします。

 

看護学生は看護師だけが育てるものではない


近年チーム医療の重要性が言われていますが学生が学ぶ際にも同様です。

実習中、学生は他職種のスタッフと関わる機会があります。そのような場面も学生にとっては学びの宝庫です。ぜひ、未来の看護師のために皆さんの力も貸してください!

 

どんな実習か知っておかないといけない?


第一回で触れた通り、看護学生の実習目的や目標が確認できるとよいです。

可能であれば、教員や看護師長クラスと指導ポイントを共有しておけるベストです。

とはいえ、なかなか看護学生の実習にまで意識を向けることができにくいと思います。
そんなときは以下のポイントを抑えておいてください。

 

①各職種ならではの視点を伝える


看護学生がきたからといって、必ずしも看護の視点で教える必要はありません。

「各職種の視点」というのが学生にとっては大きな学びとなります。

受け持ち看護師のポイント(第二回)と同様、普段行っているケアをありのまま学生には伝えてください。

忙しいときは「対 患者さん」の姿を見せるだけで大丈夫です。そこから我々教員や師長クラスが「看護の視点で考えると?」という問いで学生には考えさせていきます。

 

②何気ないやりとりも「チーム連携」としての学びに


看護師との何気ないやりとりも学生には見せてあげてください
それらもチーム連携として学びになります。

当たり前のようなことでも、学生にとっては貴重な生の体験です。「こんなこと意味ないかな?」と思うことでも体験の機会を与えてほしいです。

 

③他職種からみた「看護師」というのも大きな気付きになる 


看護に期待することや他職種から考える看護師の役割を伝えてください

他職種からも多くのことを学ばせてもらいますが、あくまで学生は「看護師」になる実習を行っています。学生自身もそこがぶれやすいので、最後に「看護師」という立場に戻してもらえると非常に助かります。

 

執筆者
永澤成人(看護師/大学教員)

専門は糖尿病看護と老年看護学、「成人なのに老年」という掴みでやっています。未来ある看護学生の教育と臨床と研究を繋ぐ活動を行なっています。