皆さん、訪問看護に対してどのようなイメージを持っていますか。看護師とひと口に言っても働くフィールドはさまざま。今回は、訪問看護師歴4年のあずまっちが、在宅で働いている経験を踏まえ、「訪問看護師の仕事」についてご紹介したいと思います!
基本的な仕事の流れ
訪問看護は高齢者に限らず、小児を含む幅広い年齢の人が対象となります。
サービスを受ける際は、医療保険もしくは介護保険を利用しますが、それぞれどのような人が対象となるのか以下に示します。
・医療保険の場合
小児から高齢者まで全ての年齢の人で、医師により訪問看護が必要と判断された人
・介護保険の場合
65歳以上で要支援もしくは要介護認定を受けている人と、40歳以上65歳未満の特定疾病の要支援もしくは要介護認定を受けている人
訪問看護を利用するための流れとしては、まず訪問看護ステーションへのサービスの申し込みが必要です。依頼者としては、主治医やソーシャルワーカー、ケアマネジャーが多いです。
依頼を受けても主治医の訪問看護指示書がなければ訪問を開始することはできません。主にケアマネジャーを通じて主治医へ指示書の依頼をしてもらい、サービス開始となります。
実際に患者さんの家で何してる?
訪問看護師が行うケアは、健康観察をはじめ、医療的処置や生活ケアなど多岐にわたります。行う頻度が高いものを以下に挙げます。
・健康観察
・療養生活のケア(保清、口腔ケア、排泄介助など)
・医療処置(褥瘡処置、点滴・注射、血糖測定など)
・薬剤管理
・医療機器管理(呼吸器管理や在宅酸素管理)
・リハビリテーション
・住環境整備
・本人、家族への指導や支援
・医師やケアマネジャーなど多職種との連携 など
ケア内容は基本的には訪問開始時の医師からの指示に基づいて決定されます。ただ、訪問開始後の経過や患者さんの希望によって、新たなケアを追加していくこともあります。
訪問看護師の仕事は、医療処置だけではなく、患者さんやご家族に指導をしたり、相談に乗ったり、日々の生活がより良いものとなるための支援も一つの役割といえるでしょう。
仕事のやりがいを教えて!
病院では、日々の業務に追われ一人ひとりの患者さんの話をゆっくり聞く時間も少なく、深く関わることができませんでした。しかし、訪問看護は、訪問できる時間は限られていますが、1人の患者さんと接する時間はきちんと確保できるため、ひとりひとりじっくり向き合えます。
長期的な関わりになると患者さんとの関係性も深くなり、「来てくれると嬉しいわぁ」や「顔を見ると元気が出る」といった言葉は看護をするわたしにとっては元気の源。
病院は患者さんにとって住み慣れた場所とはかけ離れた環境で、本来のその人らしい姿の表出が難しいのではないかと思います。一方で、在宅ではその人らしいふだんの生活に密接に関わることができます。患者さんを「ひとりの生活者」として看ることができることも訪問看護の醍醐味ではないでしょうか。
まとめ
訪問看護は、住み慣れた環境でさまざまな価値観を持ちながら生活をしている患者さんにじっくり関わり、安心して日常生活を送ってもらえるよう支えるとてもやりがいのある仕事です。この記事を読み、少しでも訪問看護について興味を持っていただけると幸いです。
育児と仕事の両立の難しさを感じながら看護師として新しい働き方を模索中の訪問看護師。ちょこっとライター活動、介護士への研修や看護学校非常勤講師もやっている。