私が多職種連携で気を付けている3つのこと~Ns編~

 

多職種連携ってなんだか難しそう……そう感じる医療スタッフは少なくないはず。

そこで「私が多職種連携で気を付けていることシリーズ」の第3弾として、急性期病院のICUで働く看護師の実践をお伝えします。

 

①患者さんのニーズを正しく把握しよう

 

看護師の強みは、どの職種よりも患者さんと関わる時間が長いことです。

24時間患者さん側にいるため、患者さんからの訴えを聴取することができます。

看護師は患者さんの治療はもちろん、食事・睡眠・排泄などの生活面などあらゆることを把握しなければなりません。

あらゆる場面の中から患者さんにサポートが必要なところを明らかにし、ニーズを整理することが多職種連携の第一歩となるのです!

 

②ニーズを専門職種へ正しく伝えよう

 

看護師が患者さんのニーズを把握しても、その情報を持っているだけでは解決しません。

患者さんのニーズを解決するには、どの専門職にどんなヘルプを出すのが良いのかを検討しましょう。

そして看護師が気付いた情報を専門職と共有し、解決策を導き出します。

この時に、他職種にも患者さんのことを十分に知ってもらうことが重要だと考えています。

これを実行するには、各専門分野の得意としていることをよく理解し、正しい情報と職種の役割をマッチングさせることが重要です。

例えば、抜管後に嚥下機能の問題が疑われたら言語聴覚士(ST)へ挿管前の嚥下の状態を伝えて嚥下評価・訓練を依頼したり、化学療法や術後で食欲の問題が疑われたら病前の食事の好みの情報を持って、栄養士に食事の形態を相談することができます。

 

③自分たちができることを確認しよう

 

専門職と情報共有しながら介入やゴールが決定したら一安心。

いやいや、これで終わりではありません。

専門職による介入は限られていますので、それ以外の時間に同様のケアが提供できるよう、看護師が行えるケアや生活の工夫を各専門職に確認しておきます。

看護師は24時間ベッドサイドにいてケアを提供してますので、専門職が持つ知識や観察点、さらには具体的な介入方法を共有することで患者さんの生活の質を高めることに繋がると思います!

STに依頼した例でいうと、誤嚥が考えられる患者さんにはどの程度のとろみをつけた水分をどんな体位でなら摂取可能かを聞きます。

栄養士への相談例では、食欲がない患者さんの食事がどのくらい摂取できるようになったか、形態が変わったことで変化したかを確認してます。

そして、さらに専門職と情報共有を繰り返すことで、常に変化する患者さんのニーズに適した対応を検討していきます。

 

まとめ

 

看護師は多職種連携における重要な「つなぎ役」だと考えています。

24時間観察した情報を各専門職へ提供し、患者さんに合ったケアが提供できるように整えることがポイントだと思います。

患者さんの情報を知りたいと思ったら、ぜひ看護師にお声がけを!!

 

大前(看護師)

急性期病院のICUで看護師をしている。さまざまなイベントで司会進行をしてきた経験があり、メディッコでは司会兼ツッコミ担当。そしてみんなの兄貴!