新型コロナウイルス感染症が広まり、医療施設だけでなく飲食店や映画館など、さまざまな場所で感染対策がとられるようになりました。しかし、医療従事者の目線で見ると「これって本当に感染対策…?」と感じるものもしばしばあります。そこで今回は、そのような一般的に行われている感染対策に対して、メディッコメンバーが話し合いました。
まずは前編として「医療現場での感染対策はコロナ渦でどう変化したのか」「医療職として仕事以外の時間で気をつけていること」について話し合った内容をお送りします。
医療現場の感染対策に訪れた変化
くー(ME)
今までも医療・介護現場では感染症対策を施設ごとに行っていたと思いますが、今回の新型コロナウイルス感染症が広まって以降、その対策に変化はありましたか?
患者さんやその家族の来院時にかならず受付前で検温と手指消毒をしてもらい、事務で確認するようになりました。マスク着用もお願いしています。老人ホームなどの連携施設も同じような対応をしています。
たみお(PT)
うめやん(RD)
私の病院も外来では、来院される患者さんにはマスクの着用と検温、手指消毒を徹底してもらっています。熱での診察希望の方は、発熱外来をやっている病院へのご案内をしていましたね。
どの施設も検温・手指消毒・マスク着用は徹底するようになりましたね。あと変わったといえば、受付に飛沫防止対策としてビニールカーテンやアクリル板が取りつけられました。それから発熱者などの動線も整備されました。定期的に患者さんが触るところは清拭するようになり、待合の椅子も並んで座れないようになっています。
タサモ(ME)
Fats(Ph)
僕の病院も来院する人は全員、非接触温度計で検温するようになりましたね。それからお見舞いだけの方は来院制限をかけています。入院する方は入院前にCT・PCR・診察を義務化し、入院人数自体の制限もかけています。
くー(ME)
たしかに来院人数の制限など、3密にならない対策も必要になりましたね。
僕は看護系の教育現場で働いていますが、授業では学生が密集しないように、通常一部屋で行うところを二部屋に分けて、同じ映像をスクリーンに映して授業しています。演習だとどうしても距離が近くなるので、マスクやフェイスシールドをつけて行い、参加人数を減らして授業数を多くすることで対応しています。
なかの(Ns)
くー(ME)
そうですね。実習も遠隔で画面を通して行って、教員が患者さん役をしていました。今は自粛が緩和されてきたのでもう少し対面でできています。あと、食堂は座席数を減らして一方向を向いて食べてもらっています。
なかの(Ns)
S.O(Ph)
僕の働く病院でも、食堂の座席が減って向き合わないような席の配置になりましたね。それから、今まで入院患者さんと通所リハビリの利用者さんは同じリハビリ設備を使用していたのですが、動線が整理されて明確に区分けされました。
くー(ME)
そうか、リハビリだと共同で使う設備もあるから、そこを分ける必要もあるんですね。
うんうん。僕の病院も、入院患者さんと外来患者さんのリハビリが混同しないように、時間をずらすようにしています。また、以前からも行っていましたが、一人の患者さんに対してリハビリをやる前と後にアルコール消毒を欠かさないようにしています。
須藤(OT)
坂場(OT)
僕が勤めている精神科デイケアでは、リハビリプログラムの一つに「グループワーク」があります。これは、利用者さんたちをグループ分けして、議題提供した内容について話し合ってもらうのですが、テーブルで向かい合って話し合いをするのは密ですし飛沫も飛ぶので中止になっています!
くー(ME)
プログラムを変更したり時間をずらしたりもしてるんですね。
あと、僕のところはリハビリをする時に医療用手袋も付けていて、一人の患者さんが終わるごとに取り替えています。自分の手ではなく、患者さん同士の感染を防ぐことが目的なので、そこは間違えないようにしないと本末転倒ですね。
須藤(OT)
普段の生活も基本的な感染対策が大切!
くー(ME)
皆さん現場でさまざまな感染対策をされていますが、仕事以外の時間でも気を付けていることはありますか?
終業後と帰宅してからの手洗いと手指消毒の徹底ですね。それから帰宅後は、可能な限り早めにお風呂に入って全身きれいにします。あと外出時にはマスク着用を欠かさないようにしていますね。買い物の時はスマホ決済を第一にして、現金を触らないようにしてます。どうしてものときは現金ですが。
タサモ(ME)
僕もタサモさんと同じです。手洗い・手指消毒とマスク着用は外に行くたびにしています。買い物する時は、スマホ決済を利用するようにして、どうしてもお金を触る場合は、触る前後に手洗いと手指消毒を行うようにしています。
たみお(PT)
Fats(Ph)
僕も手洗いうがいは頻繁にしていますね。猫にうつるという話もあったので、帰ってからすり寄ってくる猫を差し置いてまず手洗いに行くようにしています。あとは休日あまり出歩かなくなりました。食べ歩きとか好きなんで残念です。子供の公園とかもタイミングを伺いながらという感じです。
うちも子供が小さいので、外で遊びたいときは近くを散歩するのがほとんどでした。公園も人が少ないことを確認して遊ぶようにしました。スーパーは致し方ないので、普通に買い物しています。仕事帰りの買い物なので、時間をずらしたりすることはできないですね。
須藤(OT)
くー(ME)
手洗いとマスクはやはり普段から意識しますよね!自粛緩和されていますが、外に出るタイミングは難しいですよねー。
僕は職場から言われて、日々の行動範囲を記録しています。自粛期間中はトレーニングジムに通えなくなったので、家で筋トレを行うようになりました。そこからオンライン会議アプリを使ってトレーニング指導もするようになりました(笑)。
なかの(Ns)
うめやん(RD)
中野さんさすが!(笑)。私も手洗いを頻繁に行っています。あと今まで電車通勤をしていましたが、密集になると思ったので自転車通勤に変えましたね。
坂場(OT)
密集は意識的に避けるようになりましたよね。僕も外出はできるだけ避けて短時間になるように意識しています。人とすれ違うときにも、できるだけ距離を取るといった基本的なことを確実にしています!
普段の生活でも、密集はできるだけ避ける、自宅に帰ったら手洗いうがいする、といった基本的なことをしっかりするのが大切ですよね!
須藤(OT)
まとめ
今回は、新型コロナウイルス感染症によって医療現場の感染対策にどんな変化があったか、仕事以外の時間で気をつけていることについて話し合いました。来院時の手指衛生管理やマスクの着用、検温の徹底や、机の使用人数制限、リハビリ時の導線分けなどさまざまな方法を取っていました。また、仕事以外の時間でも手洗いやマスク着用、密集を避けるなど感染対策の基本を徹底するように意識するのが大切ですね。次回は後編として、街中での感染対策について思うこと、自宅や街中でもできる感染対策の工夫について話し合います。乞うご期待!
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