ことばの教室…って何?子どもと関わる言語聴覚士の世界

メディッコメンバーのみややん(ST)は病院勤務以外にもたくさんの領域で働いた経験のあるマルチキャリアの持ち主。今回は、そんなみややんの実態に迫りつつ、あまり馴染みのない「ことばの教室」について教えてもらいました。あっ、今回は座談会じゃなくて対談です!

参加者

喜多(PT)
新卒からずっと回復期リハ病院勤務。でも、病院勤務の枠組みにとらわれないようにメディッコを含めていろいろな活動を行っている。視野は広く!財布の紐はきつく!がモットー。

みややん(ST)
ST11年目、今は訪問リハに従事。STが関わる領域のほとんどを経験してもなお、言語聴覚障害領域に謎が多すぎて、目をチカチカさせている。

みややんの経歴を教えて!

喜多(PT)

みややんはいろんな働き方をしてると聞いているんだけど、これまでの経歴を簡単に教えて~!

スポット当てていただいて、ありがとうございます!私のSTデビューは、回復期リハ病院でした。ざっと経験を伝えると、回復期リハ病院→養成校教員しながら、訪問リハ+急性期病院+回復期病院+ことばの教室と掛け持ちで働いて、今は訪問リハどっぷりです。

みややん(ST)

喜多(PT)

すごい経歴!って、掛け持ちでそんなにたくさん!?そのときは全部非常勤勤務だったの?

教員を契約(週4日勤務)にしてもらって、他を非常勤(週1日、月2日など)で掛け持ってました。いやー、よく働いてたな、私(笑)。

みややん(ST)

喜多(PT)

なるほど…ハードワークだったんだろうなぁ(苦笑)。若いころは苦労は経験しろ…的なことを言うけど、まさにそんな感じだね。ところでさ、STになったときはやりたいこととかやりたい領域ってあったの?

実はSTの中でも、子どもに関わる分野で仕事をしたかったんです。でも、タイミング的にあまり子どもの求人がなく…。

 

それで、「成人の勉強たくさんしたし、良さそうな病院だし、ここにするか!」と就職したんです。それから数年して転職を考えました。そんな時、母校から「教員にならない?」と誘われて…。でもまだまだ若年だったので、当時は自分の勉強もままならず…。教員になったはいいけど、不安だらけ。現場経験も積まないと不安で不安で…ということで教員をやりながら、いろいろ掛け持っていたんです。

 

今では、STが関わるほとんどの分野をバーーーっと経験できたので、とてもいい時間だったと思っています。

みややん(ST)

喜多(PT)

理学療法士でも子どもに関わりたいという人はいるけど、なかなか求人がなくて働けないという人は多い気がするよ、似てそうだね。

「ことばの教室」って何?教えて!

喜多(PT)

そういえばさ、経歴のなかにある「ことばの教室」ってどういうところなの?恥ずかしながら初めて聞いたんだ…

そうですか!馴染みがないんですね、それは私も新たな発見!

 

「ことばの教室」は、年齢と比べて発音が上手くできない、他の子より会話の育ちかたがゆっくりなお子さんが通ってくるところです。私の勤めていたところは民間だったので、厳密にいうと「ことばの教室」とは言えないかも知れませんが、お子さんと一緒に勉強したり、発音の練習をしたりしていました。

みややん(ST)

喜多(PT)

へぇ、そういう場所があるんだね!厳密には…というのはどういうこと?

そうそう、多くの「ことばの教室」は特別支援学級などに併設されているんです。授業の合間や放課後に通ってくることが多いんですよ。

みややん(ST)

*特別支援学級:特別支援学級(とくべつしえんがっきゅう)は、小学校(軽度·中度別のみ)、中学校、義務教育学校、高等学校および中等教育学校に、教育上特別な支援を必要とする児童および生徒のために置くことができる学級である。(Wikipediaより)

喜多(PT)

通っている子どもたちはどれくらいの年齢層なの?

基本的には小〜中学生です。地域によって設置の仕方が異なるようです。前述したように、私は民間のことばの教室だったので、幼稚園生から小学校低学年のお子さんをみていましたよ。

みややん(ST)

喜多(PT)

いろんな年齢層の子どもたちが通っているんだね!どれくらいの頻度で子どもたちは通っているの?

発音の訓練は基本的には週1回。STと練習して、それを家でも練習してきてもらいます。

 

なので、保護者の方たちにも「お母さん、舌をこう使ってですね」とレクチャーします。育ちがゆっくりなお子さんたちも、発音のお子さんたちも週1回〜月1回と症状の程度や、保護者の方のスケジュールで変わっていましたね。

みややん(ST)

喜多(PT)

なるほど、付き添う形で外来リハビリをしているような感じだね。「ことばの教室」ではSTさんが働いていることがほとんどなのかな?

昔は、小学校や中学校の先生が配置されていたことがあったと聞いたことがあります。今はSTが配置されていることが多いですね。専門職が各市区町村から派遣されて、巡回することもあるようです。ここでも連携が重要!と知人を話していましたよ。

みややん(ST)

喜多(PT)

連携ってどんな連携なのかな?病院のチームとしての連携とはまた違う感じがするなぁ。

学校でも、カンファレンスのような時間を設けるんですって。あとは書面でやりとりしたり、その子の訓練の時間に学校の先生が見にきてくれたり。又聞きですが、やっぱり顔の見える関係や実際にその場を見にいくって大事なんだなと思いました。

みややん(ST)

子どもたちに僕たちが出来ることは?

喜多(PT)

病院などで働いていると、なかなか関わる機会のない領域な気がするんだけど、僕たちが出来そうなことって何かないのかなぁ?

これは個人的な考えですが…私は、お子さんからご高齢のかたまで多くの方と関わってきましたし、今も関わっています。その中で同職種、関連職種に何度も「子どものリハビリはわかんない!無理!」と言われてきました。

 

でもね、子どももご高齢の方も、もちろん違うところはたくさんあるし、配慮しなくてはいけないことや考えはあるけれど違わないところもあるんです。なので、「子どもだから」とか「高齢者だから」とかではなく、その方個人を見て関わって欲しいなと思います。

みややん(ST)

喜多(PT)

その人を年齢や障害でラベリングするのではなく、そこにある困りごとや悩みを一つ一つ考えていこう、ってことだよね!

そうですそうです!「その人」がどんな人なのか、私たちは何ができるのか、考えていきましょう!

みややん(ST)

まとめ
今回はみややんに「ことばの教室」について教えてもらいました。メディッコにはいろんな経歴があるメンバーがいるので、今後も根掘り葉掘り聞いていきますね!