病院にはさまざま医療機器が多くあります。
また近年新たな医療機器も病院に導入され患者さんへ使用されています。
臨床工学技士はそのような医療機器を定期的に保守点検し、生命維持装置の操作を行っています。
病院内の医療機器がいつでも安全に安心して使用できるようにすることも臨床工学技士の業務の一つです。
今回、他職種にあまり知られていない保守点検について紹介します。
保守点検って、そもそも何?
臨床工学技士が行っている保守点検は、日常点検や定期点検のことをいいます。
患者さんに使用した医療機器を清掃することから始まり、医療機器の校正(キャリブレーション)を行ったり、バッテリーなどの消耗部品の交換も行います。
故障の有無にかかわらず機器を分解点検し、その必要に応じて劣化部品等の交換等も行います。
病院内には保守点検すべき医療機器がたくさんある
病院の中には、人工呼吸器、除細動器、人工透析装置、電気メス、麻酔器、輸液ポンプ、シリンジポンプ(高度管理医療機器)、血圧計、パルスオキシメータ、心電計(管理医療機器)、ネブライザ、水銀柱式血圧計(一般医療機器)などたくさんの医療機器があります。
それらの医療機器を管理し常に正常な状態に維持していくため、日常点検や定期点検を行う必要があります。点検すべき機器が多すぎて、困ることもあります。
保守点検には様々な点検がある!
点検には日常点検、始業時点検、使用中点検、終業時点検、定期点検、電気的点検、外観点検、機能点検、性能点検などがあり、必要に応じて部品交換や機器測定も行います。
臨床工学技士は、医療機器の構造を理解し、きちんとした取扱いの知識を持って作業にあたります。
メーカーによっては点検項目や点検間隔が定められているので注意して点検しています。
最低でも年1回以上の定期点検を計画を立てて、点検に漏れがないように実施しています。
保守点検には臨床工学技士が必須
医療法では、医療機器の保守点検は医療機関が自ら適切に実施しなければいけません。
そのためにも臨床工学技士が病院の医療機器を把握し、保守点検を行い管理しています。
もし自分の施設で出来ない場合は、保守点検を適正に行うことが出来る業者に委託することも出来ます。
おわりに
あなたの病院の臨床工学技士も、医療機器の保守点検をしています。
保守点検の風景は、地味で何をしているか分かりずらいですが、安全に医療機器を患者さんに使用できるようにしているのです。静かに見守ってくださいね。
透析技術認定士、3学会合同呼吸療法認定士。医療機器の分解点検が好きな臨床工学技士。院内外で活動し横の繋がり連携を心掛けています。メディッコではモクモク会担当。