クラーク(RT)
皆さんに聞いてみたいんですが、Ai(人工知能ではなく)って知っていますか?
鳥ボーイ(Ns)
みややん(ST)
クラーク(RT)
(あれれ、みんな知ってると思ったけど、実際はそんなに知られてない…?)
はい!最近、漫画「ラジエーションハウス(横幕智裕/モリタイシ)」を読んで知りました!
坂場(OT)
須藤(OT)
海堂尊シリーズでも出てきたね!アリアドネの弾丸あたりで。
クラーク(RT)
そうそう!実はAi学会っていうものがあるんですけど、実はその発起人は海堂先生なんです。
あー!小説に書いてあったのを思い出しました!(笑)
鳥ボーイ(Ns)
ぽりま(Ph)
あ!チームバチスタか!読んだの昔すぎて名称を忘れてたけど、正式名称で言えば、海堂シリーズを読んだことがある人には伝わりそうやね。
クラーク(RT)
小説の力はすごいですね!実はもっと知ってもらいたいなぁと思っていて…。メディッコでも知らない人が多そうなら、コラムを書いてもいいかなと思ったんですよね。
みややん(ST)
クラーク(RT)
Aiとはオートプシー・イメージング(Autopsy imaging = Ai)、死亡時画像診断のことです!実は日本では、死因が明らかに指摘できない遺体ってすごく多いんですよね。意外と知られてないのと、とりあえず心臓関連死になる傾向があるのです。
クラーク(RT)
ちなみに、一番関わりが多そうなのは看護師さんかなと思うのですが、最近はエンゼルケアってあまりやらないですか?
僕が勤めてたところは、説明して同意を得て看護師がやっていますね。ICUは外注でした!
鳥ボーイ(Ns)
訪問看護ではたまにやっていますね。私もさせてもらったことあります。
みややん(ST)
クラーク(RT)
エンゼルケア後は画像が劣化して死因の究明が困難になるケースがあるので、アナウンスしている病院だと、Ai後にケアしてくださいとお願いすることもあるんですよね。
みややん(ST)
ぽりま(Ph)
時間が経つのと、お化粧とかが邪魔しちゃうことあるとか…?
クラーク(RT)
エンゼルケアでお腹の上で手を組むと、その影響で画像にノイズがかかって体内の構造が認識しづらくなり、そのあたりの血管や臓器が評価しづらくなるんです。腕を曲げているのがダメなんですね。医療ミスではないことの証拠保全としても使われるので、死亡したらなるべくそのままで撮ることが重要なんです。ちなみに医療事故調査制度などにもAiは深く関わります。
なるほど。スタッフの身を守る役もしているんですね…!
みややん(ST)
クラーク(RT)
多職種が関わるところでいえば、死亡後のことや医療事故調査制度のことも少し知っておいていいかもしれません。
医療事故調査…といえば、松田さん。(見た目も中身もスマートな医療安全管理者)
みややん(ST)
松田(ME)
呼ばれました(笑)。医療安全管理側としては一般常識で、Aiも積極的に取り組んでいるんですが、医療者のなかでもまだ認知度は低いところなんでしょうね…。
クラーク(RT)
そうですね。医療事故調査制度とは、原因不明の死亡や何らかの医療ミスの可能性が考えられる死亡等の原因を調査し、第三者へも報告することで再発防止を目的とした制度です。死因を究明することでご家族の気持ちにも寄り添い、疑われる医療者側も守ることができる。この調査の対象となる死亡は、何らかの医療に起因した死亡で、かつ予期しない死亡です。その原因究明の方法の一つに、死亡時画像診断『Ai』があります。
みややん(ST)
クラーク(RT)
Aiは遺体への侵襲も少なく、即時に行えること、客観性が高いこと(第三者機関へ提出が可能)、データとして保存が可能なこと、解剖に比べ安価であることから死亡原因の調査に活用されます。詳しくはコラムを書いたので、こちらも一緒にどうぞ。Aiと医療事故調査制度、医療安全は、多くの医療者にも知ってもらいたいので、この機会にぜひ覚えていってください!
まとめ
メディッコメンバーのふとした雑談からはじまった座談会でした。クラークさんや松田さんとしては当たり前のことも、他のメンバーは知らない内容でした。下記のコラムも読んで、みなさんも知識を深めてみてくださいね!