救急分野の薬剤師は少ない!?救急・集中医療領域の実情とは

 

白石(Ns)

薬剤師、または救急・集中医療領域で働いた経験がある皆さーん!

この前、「集中治療に比べて救急医療に携わる薬剤師が少ない」「救急認定薬剤師も少しずつ増えてきているが、他領域に比べて少ない」などの話を聞いて、薬剤師さんの救急・集中医療領域の実情が気になりました。実際の現場ではどんな感じなのか、温度感などもふまえてざっくばらんに教えてほしいです!

あ〜、それは僕も思ったことがある。当院でも、救急認定薬剤師の話題はあまり聞こえて来ないんだよね。純粋に、なんでだろう?他職種としては、そういう資格はなんとなくすごいだろうなとは思っても、同職種の資格への評価が違うということはありがちだと思うので。

クラーク(RT)

白石(Ns)

私も、がん認定薬剤師の話はよく聞くけど、救急分野の話はあまり聞かないね。ICUには薬剤師が配属されている印象だけど、救外ってそもそもどのくらい薬剤師がいるのかな? 看護師界隈では救急・集中医療が花型なのと同じように、薬剤師の花型は感染症とかがん領域みたいだね。そっち方面の認定資格が多いらしい。
実は先日、救急医療におけるアドレナリンの使用量が添付文書とガイドラインで違ったり、不整脈治療で使用するアミオダロンが先発品と後発品で保存方法が異なったりすることについて疑問に感じたんだけど、救急を専門にしている薬剤師はそういうものの取り扱いや整備にも長けているのかな?

クラーク(RT)

白石(Ns)

救外やICUでは蘇生処置のアドレナリン投与とかやっているところもあるようだし、ある程度アルゴリズム化された部分の介入はしやすくても、それ以外は入っていきにくいのかな~とか思った。薬剤師はフィジカルアセスメントや蘇生処置などの実技はあまり習わないってどこかで聞いたような気もするし…。
うんうん。

クラーク(RT)

白石(Ns)

薬剤師界隈ではどんな感じなんだろう?救急医療に携わっているけど、実際自分も薬剤師が救急外来に出入りしているイメージはあんまりないね。でも、言われてみると必要になる場面もたくさんあるだろうと思った。
私が働いている病院では、救外ではないけど、日中は手術室に薬剤師が常駐しているよ〜!麻薬や筋弛緩薬などの管理をしてくれているね。

かなこ(Ns)

白石(Ns)

なるほど。例えば、うちは救急専門の医師が1人しかいないので、救急当番をいろんな診療科の医師たちが回しているんだよね。そうなると、どんな疾患の患者さんが来るかわからない状況で、その時々に応じて対応するのはかなり大変だろうと思う。そんなときに、普段服用している薬の情報などを加味してベストな投薬を選択できる、または助言できる専門の薬剤師がいたら心強いなと思った。タスクシフトにもつながる話題でもある気がするね〜。
薬剤師さんの話も聞いてみたい〜!

かなこ(Ns)

Fats(Ph)

このあたりの話は薬剤師として興味ある! ただ、僕は一般的な救急とほとんど関わらない病院で働いているのでまったくの門外漢…。というわけで、引き続き静観する(笑)。
私も門外漢ですが…(汗)。まず、他職種が「救急の現場に薬剤師がいてくれたらいいのに」と思ってくれてるのだとしたら、それは薬剤師としてめちゃくちゃ嬉しいことだと素直に感じた! とはいえ薬剤師は、医師や看護師と比べるとある意味間接的に(薬を通して)患者さんと関わるので、そもそも救急をやりたい薬剤師自体が希少かもしれない…。だからといって救急の資格を軽視しているなんてことは絶対にないんだけど。(ドラマの影響もあって、これから薬剤師を目指す学生にはまた違う薬剤師像が見えているのかもしれないという期待はある!笑)。

ぽりま(Ph)

白石(Ns)

あっ…アン〇ング・シンデレラ…!笑

ぽりま(Ph)

そうそう(笑)。時間という制約がある救急の現場では、薬剤師の意見も踏まえたベストな治療選択というよりは、「禁忌を避けること」が何より大事だと思うので、多職種連携はとっても大事だけど、その中で薬剤師が専門領域を活かすためにはまだ実践経験を積める場が少ないような…。でも、そう思ってもらえる場面があるってことは、今後の課題なのかもしれないね!
そうかぁ。

クラーク(RT)

ぽりま(Ph)

一方で感染症とかオンコロジー領域のなり手が多いのは、専門知識や計算力が求められるなど薬剤師が活躍する場としてイメージしやすいので、その分入口も多いのだと思う。タスクシフトや医薬分業とも相性がいいし。最近は「本当に急性期をやりたい人は薬剤師にならないのではないか」と個人的に思ったこともあって、それと近しい話題な気がする。
確かに、薬学部ではフィジカルアセスメントの教育が不十分な側面があるから、救急領域で活躍する姿は想像しにくいよね。ぽりまーさんの言うとおり、なり手が少ないのも納得だよ。

イサミ(Ph)

ぽりま(Ph)

だよねぇ。
そもそも、救急認定薬剤師って2011年に誕生したばかりでまだまだ歴史の浅い資格なんだよね。認定者も少ないから、まだまだ救外に十分に配置されていないのが現状みたい。薬剤師の配置基準も設けられていないしね。なので、主な活躍の場は「三次救急医療機関」で、いわゆる救急救急センターとかICUとかで力を発揮しているみたいなんだ。カッコいい領域ではあるから、そこをアピールできると人気が出るかもしれないね!

イサミ(Ph)

白石(Ns)

なるほどね〜。救急分野の薬剤師さんの重要性を知ってもらうには、どんなことが大切なんだろう?
やっぱり、薬剤師はこんなことができる!ってことをもっとお互いに知ることが重要なんじゃないかないかなぁ。薬剤師からのアピールはもちろんそうだけど、他職種の方々ももっと薬剤師の業務に興味を持ってもらえると、いろんな場面で実は助け合える瞬間があると思う!最近はICLSコースや BLS/AED コースを受講している薬剤師も多いけど、知識を披露する場が持てていないからなかなか一歩目を踏み出せないんだと思うんだよね!

イサミ(Ph)

白石(Ns)

救急は緊迫した場面が多くピリピリしがちだけども、そんなときこそ協力しあえるとより良い医療が提供できるのかもね。だいぶ現場のイメージが湧いてきた!みなさんありがとう!