ハラスメントは最近は馴染みのある言葉になりました。しかし、病院では多くの職種や患者さんその家族等との関りがありハラスメントが起きやすい環境です。
では、病院起きやすいハラスメントとはどういったものが多いか振り返ってみましょう。
まず、ハラスメントは重要な人権侵害です。
- 加害者として、ハラスメントをしない。
- 被害者として、ハラスメントを許さない。
- ハラスメントにあったら泣き寝入りせず相談できる。
以上が非常に大切です。
ハラスメントとは
ハラスメントは…
相手方の意に反する日適切な言動等により、相手方に不快感や不利益感を与えること、または相手方の人権を侵害し、就学、就労等の環境を悪化させること
と定義されています*1。ハラスメントには、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシャルハラスメント(セクハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ)、モラルハラスメント(モラハラ)などがあります、それぞれ共通しているのは、言葉や行動による嫌がらせ行為ということです。
パワー・ハラスメント(パワ・ハラ)
パワー・ハラスメントとは…
同じ職場で働く者に対して、職 務上の地位や人間関係などの職 場内の優位性を背景に、業務の 適正な範囲を超えて、精神的・身 体的苦痛を与える又は職場環境 を悪化させる行為
とされています*2。過剰に仕事を任せるのは当然として、本来出来る仕事なのに「あなたには任せられないから」と言って過少にしか仕事を与えないというのもパワーハラスメントに該当します。注意が必要です。無視、仲間外れにする行為もパワハラに該当します。そんなことしてたらチーム医療成り立たないので注意が必要です。お互いを尊重しましょう。
セクシャル・ハラスメント(セク・ハラ)
セクシャル・ハラスメントとは…
「職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業 環境が害されること
とされています*2。上司と部下の関係で多く起こりがちです。特に閉鎖的な空間で行われる可能性があり相談しにくい環境が多くあります。また、患者さんから体に触れられたりする場合もあります。また、患者さんからのセクハラの場合には強制退院などの対応が行われる場合もあります。しかし、治療中の患者さんの場合には中々対応が困難となり泣き寝入りする場合もあります。一度職場の相談のシステムを確認して相談窓口を確認しておきましょう。
マタニティ・ハラスメント(マタ・ハラ)
マタニティ・ハラスメントとは…
職場において行われるその雇用する女性労働者に対する当該女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、 妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものに関する言動により当該女性労働者の 就業環境が害されること
とされています*2。
おわりに
以上のハラスメントは代表的なものですがその他にもモラル・ハラスメント(モラ・ハラ)やアカデミック・ハラスメント(アカ・ハラ)、アルコール・ハラスメント(アル・ハラ) 、ジェンダー・ハラスメント(ジェン・ハラ)等もあります。ハラスメントは加害者が自覚しない場合があります。自分が加害者にならないために相手の反応を観察することが必要です。相手が自分をどう感じているか注意しましょう。人格を尊重しあうことが大事です。
もし、ハラスメントを受けたと思ったら、自分が嫌だ感じていることを相手に伝えましょう。何も言わないと嫌がっていないと思われ、次のハラスメントが生まれてしまいます。また、ハラスメントがあった場所や日時、内容など詳細に記録しておきましょう。更に第三者の協力を得ましょう。
困った時には一人で悩まず、信頼できる同僚や先輩、上司に相談しましょう。
*1:金城大学ハラスメントの防止等に関する規定(http://www.kinjo.ac.jp/ku/jinken/main_jinken2.htm)
*2:職場のパワーハラスメント – 厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002d1om-att/2r9852000002d1q3.pdf‘)
手術室、急性期病棟、ICUを8年へて大学教員となる。現在は基礎看護学を担当。プロ格闘家としてのみならずコンテスト入賞歴もある格闘看護師として活動中。