杖を使っている人を見かけない日はありません。
また、病院ではどんな職種であっても、杖を渡したり、一時的に預かったり、何らかの形で関わることも多いものです。
しかし、杖について改めて考えてみると、あまり勉強したことがないものです。
そこで今回、身体や動きのスペシャリストである現役理学療法士が、杖の「持ち手」ついて解説します。
「右手で持てば良いの?それとも左手?」そんな悩みを解決しましょう!
杖の持ち手はどっち?
杖を使う理由の一つに「膝や足首が痛い」というものがあります。
では、左足に痛みがあるときにはどちらの手で杖を持てば良いのでしょうか?
この場合、右手で杖を持つことが良いとされています。
そうなのです。
痛みの無い方の手で持つことが一般的とされているのです。
痛い足と反対が持ち手になるのはなぜ?
左足に痛みがある場合には、左足にかかる体重を減らすことによって痛みを軽減させることが出来ます。
歩くときには、右手で杖を持つことによって左足にかかる体重を減らすことが出来るため、右手で杖を持つことが良いとされています。
「痛い側と反対の手で持つ」ということを是非とも覚えておいてください。
足がふらつく場合でも、その反対が持ち手
他に杖を使う理由として多いものに、「足がふらつく」というものがあります。
この場合においても、ふらつく側の足と反対が持ち手になります。
杖を使う理由は多岐にわたりますが、原則として「悪い側と反対の手で持つ」ということが一般的になります。
稀に同じ側で持つ人もいる
しかし、実際には痛みやふらつきのある足と同じ側で杖を持つ人がいます。
筆者の経験で多いのは「これまで長い間、右手で持っていたから、いまさら左手には変えられない」といったケースです。
無理に持ち慣れない手で杖を使うことで、バランスを崩すことや、歩きにくさを助長する場合もあります。
ケースバイケースで対応していきます。
杖にも色んな種類がある
実は杖には様々な種類があります。
例えば、
- バランスをサポートすることに優れている四点杖
- 手の力が弱くても使いやすいロフストランドクラッチ
- 体重を免荷させながら歩行することに特化した松葉杖
などがあります。
用途や目的によって様々なものがありますので、周りでどんな杖が使われているのかチェックしてみるのも興味深いものですよ。
回復期リハ病院に勤務しながら、学術・オンラインサロン運営・企業アドバイザーなどを行っている。医療コミュニケーションを勉強中。