自分たちの専門性はごく一部である! そんなことを認識するのは多職種連携や領域横断なのだ

平素よりお世話になっております。メディッコ代表の喜多です。

僕は理学療法士として病院勤務を経て、現在では地域医療の現場にて福祉用具貸与事業所と就労継続支援B型のマネージャー(あとは会社の広報とか諸々…)をしています。仕事以外では学校教育の現場で働く方などの医療福祉以外の方々と一緒に活動をしたりなんかもしています。

そんななかで感じた「自分の専門性」について考えてみました。

理学療法士が出来るのは理学療法だ!

当たり前なのですが、理学療法士なので理学療法を専門的に勉強してきました。患者さんが少しでも生活しやすくなるようにリハビリで筋力をつけたり、歩く練習をしたり、自主トレーニングのやり方を考えたり…そんなことをやっていました。

「これが自分の専門的な領域やな、よし、これはちゃんと突き詰めて勉強して、胸を張って働けるようにならなあかんよな!」

そんなことを考えていました。

勉強していくうちに分からなくなる専門性

そんな気持ちで勉強を進めていくなかで、「理学療法士の専門性ってなんやねん」と、よく分からない気持ちになってくることがありました。

「別にこれって理学療法士じゃなくてもよくね?」とか「理学療法士だから出来る、とか必要なのかな?」みたいな、何ともいえぬモヤモヤが生じてきたんですよね。

どうやら経験を積むとそのような「分からんぞ~!」ってなってくる人は、自分と同じように何人もいることが発覚しました。

多職種連携を考えることで分かる専門性

一方で、メディッコで他職種の人と話していると、自分の専門性がはっきりとすることがあります。

「理学療法士って何が出来るの?」とか「専門的に勉強したことって何なの?」とか「学会でどういうことを話すの?」といった、何気ない話をするじゃないですか。

そんなときに

「歩行介助とかやるんやで。歩行介助ってのはね…」と、これまで理学療法士同士では話したことのない話をたくさんするわけです。

「あ、これって専門性なのか~!」と当たり前のことに改めて気付く…多職種連携にはそんな側面もあるのだなぁと感じました。

領域横断するとさらに見える専門性

冒頭でも書いたように、最近では医療福祉領域以外の方々と話す機会も増えてきました。

そうなると、「診療報酬ってなに?」とか「病院ってこういう時に行ってもいいのかな?」とか「理学療法士?理学療養士?え、もっかい言って」みたいな、さらに根っこの説明を必要とすることがあるわけです。

そうなると、出来るだけややこしくせずに伝わるように話をしなければなりません。すると、どんどん研ぎ澄まされて伝える「専門性」みたいなものを見つけれたりします(もちろん、一定の理解がある相手の場合には込み入った話をすることがあります)。

多職種連携とはまた違った形だなぁ~と感じるわけです。

専門性への視点を増やす

こうやって書いてみると、なんだかめんどくさそうな話ですが、よくよく考えると当たり前のことなんですよね。

自分のことを自分で見るというのはとても難しく、そしてひとつの視点でしかありません。それを、複数の視点で見る(医療福祉の他職種たち)、さらに角度を変えて複数の視点で見る(医療福祉以外の人たち)…そうすることで照射される部分がどんどんとクリアになってきて、そこで浮かび上がってくるものに専門性が(ひとつとして)あるわけですよね。

おわりに

というわけで、僕がこれまでの理学療法士歴から感じた専門性に関する経験を書いてみました。僕の直観では免許取得後7~15年くらいの方がこういう感覚になっているような気がします(ほんまかいな)。

こういう悩みを抱えたときには、是非とも他職種他業種の方と関わってみて、相互に照射してみてくださいね。

執筆者
喜多一馬(理学療法士/代表)

言わずと知れたメディッコ代表。

Twitter:@rehamame