病院には色んな色のコンセントがある!臨床工学技士が役割の違いを解説!

赤、白、緑など病院には数種類のコンセントがあることはご存じですか?それぞれの色ごとでコンセントの特性が変わるため、正しい使い分けが必要になります。今回は病院で使われるコンセントについて説明したいと思います。

これが普通の色だよね!白色コンセント

一般的な家屋やお店などで見かけることが多いのは白色のコンセントですね。

白色のコンセントは「商用電源」と呼ばれ、発電所で作られた電気が直接送られてきています。もちろん病院内にも沢山あり、医療機器以外の機械(テレビや冷蔵庫)の電源プラグを差し込むのは白色コンセントということになっています。

なぜ、白色コンセントには医療機器を接続しないのでしょうか?次に説明するその他の色のコンセントの役割と共に説明していきたいと思います。

なんだか特別な感じ!赤色コンセント

病院の中でも白色の次に多いのは赤色コンセントになります。

待合室や診察室ではあまり見かけないかもしれませんが、病棟や処置室には一定数の赤色コンセントが設置されていると思います。

赤色コンセントは「非常電源」と呼ばれ、施設内にある発電装置に繋がっています。普段は白色と同じ商用電源を使用しますが、停電時には発電機回路に切り替わります。

白色コンセントは災害などで停電が起こってしまうと、電気がこなくなります。もし大事な処置をしていたり、医療機器を使用していたりしている時に電気が使えないと困りますよね。なので、停電が起こっても施設内の発電機から電気が送られてくる赤色コンセントには医療機器を優先的に接続することになっています。

ちなみに、院内でも暗くなると困るような場所の蛍光灯やライトも非常用電源に繋がっているんですよ。

こいつは貴重だ!緑色コンセント

さいごは緑色のコンセント。白と赤に比べるとさらに少なく、集中治療室や手術室に配置されることが多い思います。

緑色も赤色と同じ非常電源の一つで、「無停電非常電源」と言います。

この緑色コンセントは停電時に電気が切れることはありません。あれ、赤色も同じだよね?と思うかもしれませんが、実は赤色コンセントは発電機に繋がっているとは言え、停電してから発電が開始されるまでの数秒間は電気が途絶える可能性があるのです。

ですが、緑色コンセントは切れません。あらかじめ電気が貯めてあるバッテリーに繋がってあるので、停電から発電までの数秒間でも電気を供給することが出来ます。

なので、一秒たりとも電気の供給を途絶えさしたくないような生命維持管理などを緑色コンセントに接続するようにします。

しかし、電気が途絶えないとは言い切れないのです。さきほど、バッテリーに繋がっていると説明しました。つまり貯めている電気には容量があります。あまりにも沢山の機械を緑色コンセントに接続して、停電時にバッテリーの容量を超えてしまう可能性もあるのです。適切な使い方を心がけましょう!

おわりに

今回は、病院で使用されるコンセントについて説明しました。コンセントの色を意識した機械の取り扱いはとっても大切です。実は、まだまだ他の色のコンセントもあり、違う役割があります。興味のある方は一度調べてみてくださいね!

執筆者
久原幸典(臨床工学技士)

総合病院で幅広く業務に関わりつつ、新しい臨床工学技士の働き方を模索中。最近、サブカル臨床工学と名乗る事にした。

@kuhara_CE