病院にはさまざまな医療機器があります。
ですが、日ごろ使い慣れた医療機器がどのくらいの値段か知っていますか?
聞いたらビックリするような値段の医療機器はたくさんあるんです。
そもそも何故そんなに高いのか?気になりますよね。
今回は臨床工学技士が教えられる範囲で、医療機器の秘密を教えちゃいます。
医療機器は簡単に売れない!販売には申請が必要!
皆さんは、大手通販サイトや大型の百貨店などで輸液ポンプや人工呼吸器が売られているところを見たことがありますか?
ほとんどないですよね。
医療機器は使用することでのリスクや管理方法などから、さまざまな分類に分けられて、その取り扱いについて規定があります。また、販売するためには各都道府県に許可を届け出る必要があります。
メーカーとしても、医療機器を正確に扱えるスタッフがいる施設に限定して販売しているケースが多いようです。
間違った使い方や管理をしてしまうとお互いに幸せになれないことが多いので、適切な環境で使用することが望ましいんですね。
ちなみに、販売許可を得ていない個人が医療機器を転売してしまうと違法になります。
気になる、医療機器のお値段は?
それでは、気になる医療機器のお値段を少し教えちゃいます。
メーカーや仕様でバラツキがありますが、大まかに定価を記載します。
・パルスオキシメーター 約5万円
・輸液ポンプ 約40万円
・体内植え込み式ペースメーカー 約100~400万円
・人工呼吸器 約400~800万円
・ECMO装置 約1000~1500万円
・人工心肺装置 約5000万円
・ナビゲーションシステム 約6000万円
・手術支援ロボット(ダ〇〇ンチ) 約3億円
新型コロナウィルスの影響により、購入する人が多くなったパルスオキシメーターは比較的少額です。
一時期話題になったECMO装置や、人工呼吸器は生命維持管理装置とだけあって高額ですね。
また、脳外科の手術などで使用されるナビゲーションシステムや、心臓手術で使用する人工心肺装置は装置も大がかりのため高額になっています。
手術支援ロボットのダ〇〇ンチは、目が飛び出るくらい高いことで有名です。
また、高価な機器は維持費もかなりかかる場合があるので、さらに驚くことがあります。
なぜ医療機器は高いの?
医療機器は少額な物から、一般家庭ではとても買えない高額な物もあります。それにはいくつか理由があるので、簡単に説明します。
まず、現在日本で使われている医療機器は海外製品が多いため、輸入に頼っている場合が多く、余分にコストがかかってしまうのです。
日本の企業が開発した機器ならば余計なコストはかかりませんが、実は国内で開発すればそれで良いわけではないのです。
なぜなら、医療機器の開発には莫大な費用(臨床研究や治験など)が必要となるからです。
しかも、進歩し続ける近代の医療業界では次々と新しい機能が求められ、すぐに仕様変更が求められます。
時間とお金をかけてもたくさん買ってくれないなら、売れるうちに高く売っておきたいですよね。また、売れなかった時のリスクを考えるとなかなか国内のメーカーも開発に踏み切れないこともあるようです。
おわりに
簡単ではありますが、実は高い医療機器とその理由について説明しました。
自分の働く施設で使われている医療機器を、改めて大切に扱ってあげてくださいね。