気になるいろんな職種の技士会・技師会の仕事!座談会

メディッコメンバーには、実は技士会・技師会などに参加して活動している人もチラホラ…。こうした各職種の集まりでは、職場の仕事以外にはどんなことしているのか、どうやって入れるのか、何かいいことはあるのか…など気になることを、実際に参加されているメンバーにいろいろ聞いてみました。

参加者

松田(CE)
19年目の臨床工学技士 。都内病院の専従医療安全管理者をしています。

みややん(ST)
12年目の言語聴覚士。在宅医療法人で働いています。

クラーク(RT)
12年目の診療放射線技師。地域中核の総合病院で勤務しています。

すま(OT)
13年目の作業療法士。急性期を主とする大学病院で働いています。

バサカ(OT)
8年目の作業療法士。精神科単科の病院で働いています。

技士会・技師会の今の仕事、役割について教えてください

松田(ME)

都の技士会の委員会部会、日本の技士会の医療安全委員会をしています。日本全国の臨床工学技士に対して、医療安全の啓蒙活動をさらに充実していくよう頑張っています。

県の技師会で放射線管理を主に担当しています。年間における県全体を対象とした研修会の開催や、啓発のための記事作成がメインです。

クラーク(RT)

県士会の中で、住宅改修・福祉用具委員会の委員長をしています。委員長としては2年目で、委員会の年間計画を立てること、毎回の委員会ミーティングで議事の進行などをしています。

須藤(OT)

県士会の下部組織(?)である精神障害対策委員をしています。委員としてまだ2年目であり、対策委員の中では一番年下なため、雑務メインで動いています。

坂場(OT)

みややん(ST)

士会では総務の仕事がメインで、郵送物管理、新入会・退会者対応、会員からの問い合わせ、総会の取りまとめをしています。訪問、地域関係の委員も兼務で、委員会運営、研修会企画・開催、全国会議に出ることもあります。

参加した経緯、どうやっていまの役割についたのですか

松田(ME)

都と日本の技士会は、頼まれてやるようになりました。どちらも突然、お誘いの連絡がきて(というか、泣きつかれて?笑)了承しました。特に、日本の医療安全委員会は、医療安全管理者という自分の立場からみても、誘われたことはとても嬉しかったです。

以前から県内の支部において技師会活動を展開していましたが、刷新の意味もあって県の役割を与えられました。恐縮ながら、その分野を深く掘り下げる方が他にいないということで、白羽の矢が立ったとも聞きました。

クラーク(RT)

当初はこの委員会に入ろうとは思っていなかったのですが、実は県学会の懇親会で、県士会長に自分から挨拶をしに行きました。その際に「県士会でこんなことをしたらどうか」と提案したことがあり、うるさい輩だと認識されたと思います。後日、県士会長から職場に電話があり、「今の委員会を再編するので参加してほしい」と言われ、二つ返事で快諾しました。

須藤(OT)

元々は対策委員が行っている精神科作業療法の研修に参加している側の身でした。別件でお世話になっていた教授や前職場で一緒だった先輩が対策委員をやっており、「やろう!盛り上げよう!」と声をかけていただいたのがきっかけです。

坂場(OT)

みややん(ST)

元々、友人が士会の書記業務に参加していて、「一緒にやってみない?」と言われたのがきっかけです(その友達はすぐに辞めてしまった…)。それから会議開催場所と私の自宅が近いこともあり、あれよあれよと今のポジションにいます。

参加することで何か手当や報酬、メリットなどはあるのですか

松田(ME)

報酬はないです。ですが、これはもうネットワークが凄い!に尽きますね。日本全国に委員がいるので、繋がりは半端ないです。このネットワークだけでも、宝物になります。

報酬はないです。基本的に交通費やイベントごとの弁当くらいです。

クラーク(RT)

報酬はほとんどないです。会議に出席すれば会議費は出ますが、一回当たりの会議費は決まっているので、長引けば長引くほど単価が下がっていきます(笑)。メリットは、自分たちが面白いと思える活動ができることですね。多くの人は「県士会って魅力ないなぁ」と感じているかもしれませんが、その中でも、僕が関われる範囲の活動は面白くしたいと思って活動しています。

須藤(OT)

報酬は全くないですね。メリットとしては、精神領域に特化した作業療法士数名で現在のトピックスや法律の流れなどから研修会を組み立てていくので、その話し合いに参加していることはとても有意義に感じます。先輩の思考を覗き見できるような感じです。

坂場(OT)

みややん(ST)

報酬は、活動費がすこーし出るようになりました。あとは交通費ですね。メリット…ではないけれど、知らない人が自分のことを知ってくれているときには、驚きますね。

参加してみて、本業でも何か変わったことはありますか

松田(ME)

都も日本も、業界がいま何を考えているのかがよくわかるようになりました。また、日本全国に発信できるので、自分自身もさらに勉強するようになりました。その分、責任感は大きくなります。先日も日本の技士学会で委員として登壇しましたが、自分の発言が委員会の発言となるので、ある意味とても緊張します。しかし、日本全国に医療安全文化を醸成して全国の患者さんのためになると思うと、やる気は出ますね。

担当した分野のみならず、県全体や日本の技師会の潮流を俯瞰できるようになるのが一番大きなメリットですね。その上で自施設の向かうべき先を計画立てることができるので、大きく道を外すことがなくなる気がします。また、県内のつながりが増えるので、何か困ったことがあれば施設を超えて相談できるようになりますね。

クラーク(RT)

委員会に参加した後は、住宅改修・福祉用具に関わる活動や業務に関心を向けるようになってきました。急性期なので住宅改修を行う機会や福祉用具を提案する機会はごく少ないのですが、患者さんに合わせた自助具を作って提供する機会が増えたと思います。あと、委員会活動を通して県士会の裏で頑張っている人たちを知ることができたので、それを職場の人たちにも共有して、県士会活動を応援するように伝えるようになりました。

須藤(OT)

他の職場の精神科作業療法士とディスカッションできることによって、自分になかった視点を持ち帰ることができる点は大きいです。横の繋がりができることで細かい情報交換が可能にもなりました。新たな知見を調べ、職場で共有し、思考の幅を広げられるようになったと思います。

坂場(OT)

みややん(ST)

知り合いが格段と増えたので、知り合い同士を紹介して「広げよう、友達の輪!」ができるようになりました。私自身も周りが知っている人だらけで仕事がしやすい、と感じることが増えました。

まとめ
やや謎に包まれていたそれぞれの技士会・技師会。自施設以外の人との交流によって業界の動向がわかり、同じ職種の繋がりが増え、得た知識やスキルを実際に自施設に持ち帰ることができるという大きな好循環があることがわかりました。こうした職種の将来を担う取り組みに興味がある方は、ぜひ勇気を出して門を叩いてみてください…!