地域ケア会議に出てみた!〜言語聴覚士として、どう働きかける?〜

リハビリテーション専門職も地域に出る機会が増え、地域ケア会議に出ることも増えてきたのではないでしょうか? 今回は、地域ケア会議に出てみた言語聴覚士みややんからのお届けします。

そもそも、地域ケア会議って?

地域ケア会議とは、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法(厚生労働書より)のことです。私なりに嚙みくだいた表現をすると、「顔の知らない要支援者について、みんなで課題を共有し、より良い生活を考えて行こう!」という感じでしょうか。

地域ケア会議は地域包括支援センターからの依頼で開催され、事前に対象者の情報を共有します。出席する各専門職は事前に課題を洗い出し、当日は質問と理解を深め、自分の専門領域からの意見出しや提案を行うのです。

言語聴覚士としての視点

言語聴覚士は、言語(コミュニケーション)障害・嚥下障害・聴覚障害について関わることが多いため、その視点を持つことは必須です。また、地域ではフレイル、サルコペニアの要支援者もとても多いので、食事の内容や摂取量も確認しなければなりません。

言語聴覚士が介入したらすぐに気付きますが、要支援者の失語症は特に見落とされがちです。言語障害が著明であれば支援者も気付くことがありますが、そうでない場合は「本人の問題」とされやすいのです。例えば、「デイケアに『人と関わるのが得意ではないから』と行きたがらない」「いつも『大丈夫』と言って、実際の体調がわからない」などのコメントがあれば要注意です。「もしかしたら失語症かもしれません」と、対応を呼びかけましょう。

地域の多職種連携から学ぶこと

私が経験した会議では、参加専門職は7〜8人程度(+傍聴者)でした。内訳は、​​​​​​自治体職員、地域包括支援職員、ケアマネジャー、介護事業者、民生委員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、歯科衛生士などです。前述したように顔の知らない相手について検討していくため、客観的に捉えることができ、直接サービスに当たらない職種もいますが「そんな視点があったのか!」と、参加するこちらも新たな視点を得ることができます。

まとめ

地域での事業は各自治体によって異なりますが、どこかの自治体で行っている良い事業は、じわじわと他自治体にも広がっていきます。近隣に目を向けつつ、自分の地域でも活用できないかと考えながら、地域活動を行っていきましょう!

執筆者
みややん(ST)

現在は、小児から看取りまでに携わる訪問ST。回復期リハ病院、教員、急性期、ことばの教室もチラッと勤務。摂食嚥下認定STだけど、やっぱりコミュニケーションって1番根っこだよねーと思い返しているところ。

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