数年前に周産期医療がテーマのドラマで有名になったこともあり、助産師という仕事が世間に周知されてきたと肌で感じることが多くなりました。
しかし、「助産師って赤ちゃんが産まれる時にいる人だよね?」「先生が赤ちゃん取り上げるんでしょう?助産師って何してるの?」そういう意見もちらほら。
今回はそんな方に助産師の仕事を簡単にお伝えします!
助産師といえば分娩介助
多分このイメージの方が多いと思います。
分娩介助が出来るのは法律で決められていて、医師と助産師だけなんです。
看護師やその他の医療職者は分娩中のケア(腰をさすったりうちわで扇いだり)は出来ても、赤ちゃんを取り上げることはできません。
しかも、分娩の中でも、異常分娩(骨盤位や鉗子分娩等)では医師しか介助が出来ませんが、助産師は医師と協力して無事に赤ちゃんが産まれてこられるようにお手伝いをします。
赤ちゃんが産まれてくる瞬間だけではなく、破水や陣痛が開始した時から、赤ちゃんとお母さんの安全安楽を第一に考えてお手伝いをさせて頂いています。
陣痛中は腰のマッサージをしたり、早くからいきみ始めてしまうお母さんには一緒に呼吸法をしたり、つきっきりのことも多いです。
よく分娩はフルマラソンに例えられますが、助産師はその伴走者みたいな存在です。
お母さんのスキルアップ支援
「分娩介助以外に何をしているの?」と思われた人へ、ほかの業務についても紹介していきます。
分娩介助と並んで大きな特徴がある仕事として、授乳や育児の支援が挙げられます。
大変だったお産が終わってホッとしたのも束の間、休む間もなくお母さんはすぐに育児に突入です。
誰でも初めてのことは分からなくて不安ですよね。
しかも赤ちゃんはどうして泣いているか教えてくれない!そんな時にどうして泣いているのか、ひとつひとつ一緒に確認して、お母さんが解決していくスキルを身につけられるようお手伝いしています。
妊婦健診、産科外来での仕事
妊娠したら通常、約10か月間の妊娠期間が存在します。
妊娠中は今まで気にならなかった食べ物や薬のことが気になったり、浮腫や頻尿が気になったり、陣痛ってどんな感じだろう? と疑問に思ったり、色々考えることが多くなります。
助産師は妊婦健診に来られるお母さんと話をして普段気になっていることを解決するお手伝いをします。
また、出産に向けて両親学級なども開催しています。
産科外来では、未成年や未婚、合併症がある妊婦さん等、社会的・身体的・精神的にハイリスクな患者さんの抽出も行い、妊娠中から地域の行政機関等への連携もとっています。
産後は授乳等の相談を行う外来や一か月健診も行っています。
まだまだたくさんある助産師の仕事
これまで主な助産師の仕事を紹介してきましたが、その他の仕事も紹介していきます。
助産師は病院以外でも活動を行っていて、地域の学校に出向き、「いのちの授業」等の性教育を行う、保健所での乳児検診に携わる助産師もいます。
また、不妊治療の方への支援や流産をした方へのケア等、多岐にわたります。
まとめ
今回は助産師の主な仕事について説明してみました。助産師はいつでも女性と家族とともにその方の人生の応援をしています。
コラムを読んだ方が、周産期医療に少しでも興味をもっていただけると幸いです。
職場では、日々赤ちゃんに癒されている。レアな職種として、いかに他職種と関われるか考えている。