歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士はまごうことなき医療職ですが、“医科”と“歯科”で分けられていることもあり、知っているようで知らないことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、現役の歯科医師に歯科系職種について解説していただきました!
歯医者の仕事内容
(1)歯科医師
主な仕事は虫歯・歯周病・噛み合わせの治療です。歳をとっても最後まで残る楽しみが「食べること」。何歳になってもおいしく食事ができるように、患者さん自身の歯をできるだけ残すのが歯医者の仕事です。
口は食べ物が通る最初の消化器官ですから、ちゃんと噛めないと栄養の吸収も悪くなり、全身の健康に影響してきます。また、前歯の見え方でその人の第一印象は大きく変わります。歯並びや歯の色を恥ずかしがってうまく笑えない人をサポートするのも歯医者の大事な仕事です。
よく「芸能人は歯が命」なんて言いますが、芸能人だけでなく海外では歯並びが悪い人は就職に不利という話もあり、歯並びに気を使っている人はとても多いです。歯並びの治療には矯正歯科医が活躍します。
また、口腔がんや粘膜疾患などは口腔外科医が専門で診ています。他にも、歯の見た目に特化した審美歯科医もいます。
(2)歯科衛生士
歯の見た目でいうと、歯科衛生士も歯の着色をとって歯を白くするのが仕事です。それだけでなく、虫歯や歯周病の予防も行います。学校や企業で歯科検診をしているのも歯科衛生士ですよね。
最近は、医科の入院患者さんや在宅医療を受ける患者さんにも口腔ケアをすることが重要視されています。口腔ケアを怠っていると、汚れや細菌が悪さをして、入院期間が長くなる傾向があるからです。なので、病院に勤務して入院患者さんの口腔ケアを専門で行う歯科衛生士も増えてきました。
(3)歯科技工士
歯科技工士は、歯科医師から依頼を受けて銀歯やセラミックの被せ物などを作るのが仕事です。患者さんの歯の色や形は一人一人違うので、その人の歯に調和した歯を作り出すにはかなりのスキルとセンスが必要です。どこを治療したかわからないような口の中を作れる歯科技工士が重宝されます。また、見た目だけでなく繊細な噛み合わせを調整するのも歯科技工士の腕次第です。腕一本で働く職人さんのような存在です。
主な活躍の場は…
歯科医師は、主に歯科診療所や病院で活躍しています。施設や在宅に訪問して歯科治療を行うこともあります。大学などの研究期間で最新技術の研究や開発をしている歯科医師もいます。
歯科衛生士は、ご存じのとおり歯科診療所や病院(歯科や口腔外科など)が中心ですが、学校、保健所、介護老人保健施設、在宅医療、企業など、最近は活動の場が広がっています。
歯科技工士は、歯科技工所で仕事をしたり、歯科診療所に勤めてその診療所専属の歯科技工士として活躍する人もいます。
まとめ
歯周病や噛み合わせは全身の健康と深く関わっていることも多いです。頭痛や肩こり、上顎洞炎の原因がわからない時は意外と歯が原因だったりするので、目立った歯の痛みや異常を感じないとしても、定期的な歯科検診も重要です。
たかが歯、されど歯です。命に直接的に関わる病気は少ないですが、歯科治療が全身の健康と密接につながっていると実感しています。医科の方々と連携したいと思っている歯医者も多いので、気軽に声をかけてください!
大阪某所にて歯科医院を開業したての歯科医師。桁外れの発想力から、友人間では”天災(天才)”の異名を持つ。