明日から知ったかぶり!放射線技師が類似検査をワンポイント解説!

病院にいると、似たような名前の似たような検査がたくさんあってよくわからない! 特にRI検査? とか多すぎて、実際にどんな検査方法なのか、どんな機械をつかうのか…。

Fats(Ph)

クラーク(RT)

今回は放射線技師のクラークが類似検査についてポイント解説しちゃうZE!みんなついてこい!

似たようなフレーズ

皆さんは以下の単語を見て、違いがパッと頭に思い浮かびますか??

「骨シンチ」

「PET」

「PET-CT」

「RI検査」

「SPECT」

ぼんやりと思い浮かぶ方もいらっしゃるとは思いますが、いざ説明するとなるとうまく言い表せない方もいるのではないでしょうか。患者さんに「今日はどんなことをするの? 何をするの?」と言われて、はぐらかしてばかりもいられませんよね。では早速これらの違いを見ていきましょう!

核医学検査というもの

まずこれらは、包括して「核医学検査」という枠組みになります。

核医学検査というのは、医薬品である放射性同位元素を、静脈注射などにより決められた量だけを体内に取り込み、特定部位に集積するかどうかを、機械を使用して画像化し観察するものです。

この核医学検査は、英語で言うと「Radio-Isotope(ラジオアイソトープ)」略して『RI(アールアイ)』と呼びます。つまりRI検査というものは、核医学検査そのものを指す別名ということになりますね。

次にRI検査にはどんな種類があるのか見ていきましょう。

RI検査は、主に使用する機械によって分けられます。

代表的な機械で「SPECT(スペクト)」、「PET(ペット)」が挙げられます。どちらも体内の放射線を検出し、画像化するという点では同じですが、使用する放射性医薬品が違います。放射性医薬品が違うことで、各医薬品から出てくる放射線の種類が異なるため、対応する装置の構造も異なるのです。

わかりやすく覚えるためには、それぞれの装置でどんなものを調べるのかを覚えるとよいでしょう。おおまかに述べると、SPECTは脳や心臓の血流分布、骨転移の検索、肺血流、甲状腺などに用いられ、PETは腫瘍の検索が得意となります。

もう少し細かく…

さて、ここで「シンチ」という用語についても触れてみましょう。

ざっくり言いますと、「SPECT装置を用いて静脈注射などにより体内に放射性医薬品を取り込んで行う画像検査」をシンチグラフィ(略して「シンチ」)といいます。

その上で、SPECTでは数種類の用途があると言いましたが、骨への集積を見るときは「骨シンチ」、脳血流を見る際は「脳血流シンチ」となるわけですね。

一方で、PETはそれ独自のものですので、シンチグラフィとは言いません。PETでは何を見ているのか簡単に言いますと、体内の糖代謝をみており、腫瘍にいたっては組織に取り込まれたブドウ糖の分布などを観察し腫瘍を発見しています。

PETは大変優秀で、CTやMRIよりも感度よく腫瘍を見つけることができます。ですが弱点として、ぼんやりと腫瘍の所在を示すだけで、細かくみることや周囲臓器との関係をみることは難しいため、その点ではCTやMRIに劣ります。そこで登場したのがPET-CTです。お互い弱点があるなら合体させてしまおうというものです。これでお互いの画像を重ね合わせることにより、腫瘍も見つけやすく、細かなところもわかるようになります。ご想像の通り、SPECT-CTもあり、臨床現場で活躍しています。

最初の単語の違いがなんとなくわかったのではないでしょうか。いつか患者さんに聞かれたときに、サクッと答えて頼れるところを見せちゃってください!

理解できました!! 治験でちょっと精度管理の確認とか検査可否の調整をすることが多いんだけど、ネットで調べても全然理解できなかった自分が一発で関係性がわかった!正直、今ちゃちゃっと検索して出てくるようなどのページよりもわかりやすいと思います!!! ありがとうございます!!!

Fats(Ph)

執筆者
クラーク(放射線技師:RT) 

総合病院勤務の放射線技師。人にわかりやすく説明するって難しいけど、それを考えるのも大事だと思っている。