枠を越えて新たな学びを!越境学習の実情について

最近何かと話題になっている、VUCA時代(「Volatility:変動的」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧さ」)における、越境学習について。

白石(Ns)

メディッコの皆さんは、所属している部署の枠を越えて、外部で新たな学びを得ることをもう当たり前のようにやっている人も多いと思うんですけど、具体的にメディッコ以外ではどのような活動をやっているか、教えてほしいです~!
メディッコ以外なにもしてない!!!!!

かなこ(Ns)

白石(Ns)

それも良し!メディッコの活動自体がもうめちゃくちゃ越境学習につながっているもんね!!!
VUCAという言葉を初めて知った。調べたけどおもしろいし確かにいまの時代っぽい…!

おぬ(Ns)

メンバー紹介

白石(Ns)
非常勤の看護師以外の仕事(ライター関連の業務委託)の幅が広すぎて自分でもちゃんと把握できていない、やばい。

かなこ(Ns)
越境学習っていいよなーって思ってるけどそんなに越境できてない看護師。

おぬ(Ns)
とりあえず顔を出してみることが好き。最近は更年期からか活動低下気味。

喜多(PT)
過活動なので、一体なんの仕事してるの?と言われがち。

具体的にどんなことをやっている?

喜多(PT)

僕がメディッコを始める前は、ライターやブロガーとして文字を書くことに挑戦していたね。 約4年ぐらいやってみたことで、SEOに対応した文章が書けるようになったり、読みやすい文章をどうすれば書けるか、だいぶコツは掴めてきたような気がする。ライターとしては今もたまに書く仕事をしているよ。
そうだった…。喜多さんも限界ライターだった時代があったね(笑)。

白石(Ns)

喜多(PT)

そうそう(笑)。それで、メディッコと同時期に始めたのは、訪問リハビリについて考える『リハビリコネクト』という団体かな。訪問リハビリに関してセミナーをやったり、本を書いたり、雑誌連載にチャレンジしたりもした。 今は活動していないんだけど、メンバーとは頻繁に連絡をとっていて、数年後にまた再開するかもなぁなんて話をしています。
へぇ~!

かなこ(Ns)

喜多(PT)

あと、メディッコのすまさん(OT)とは、『con(療法士の当事者研究)』という名前の研究会もやっているね。 これはリハビリ職が自分たちのしんどさについてあまり考えることがないので、それを考える会としてスタートしたの。ここでは今も定期的に研究会をやっていて、雑誌寄稿も一回したよ。
すごい、いろんな活動を精力的にしているんだね〜。

かなこ(Ns)

喜多(PT)

さらに最近だと、学校教育が中心になる“インクルーシブ教育”を考える、『あぜみ』という勉強会に参加しているよ。 こちらは学校の先生や医療職など、広く対人援助職についている人や研究者、当事者などが参加しているオンラインの勉強会なんだけど、医療の分野だけでは学べないことを知れるので、毎回めちゃくちゃ学びになっているよ。

あまりに学びになったので、勉強会の取り組みを書籍にしようと自ら声を上げて、実際に書籍化を果たしたね。差別のない社会をつくるインクルーシブ教育』という本。主催ではない参加者のくせに書籍化に関わって、えらいこっちゃだった(笑)。

さすが、メディッコ代表!自ら体現している(笑)。僕は学びという意味では『リフレクティブ』という精神科看護師が集まって事例検討会をするグループに入っているよ。

いろんな病院の風土で育って学んできた看護師が集まって、架空事例に対していろんな意見を出し合うの。そして、精神科の看護について、みんなで冊子を作るのがいまの目標になっているね。だけど、もう2年ぐらいやってるんだけど、それぞれの場所で働いていて時間の確保も難しく、なかなか活動機会が少なくて大変。

他にも学習とは少し違うかもしれないけど、学ぶという意味ではNPOの理事を2ヵ所でやらせてもらっていて。理事会に行くと、それこそ医療職ではない人たちがたくさん集まるから、いろんな意見を聞いたり、話をするだけでもすごく学びになるね。

おぬ(Ns)

白石(Ns)

私は看護師で非常勤をしている以外は、フリーランスとして業務委託契約で仕事をしているので、ぶっちゃけ私にとっては「すべてが越境学習」って感じかな。看護師向け媒体での仕事も、自分の専門分野である整形外科や小児のみならず、いろんなところで働く看護師さんに取材したりコラムを書いたりするし、看護師以外にも医師や薬剤師、リハビリ職種などの取材をすることもあるし…。もっと大きな枠組みだとヘルスケア分野(医療系ベンチャーや製薬会社、医療機器メーカー)の取材や広報・採用に関するライティングを担当することもあるので、目の前の患者さんの話のみならず、日本の医療とは…みたいなどでかい話まで盛りだくさんある。取材や記事を書くためには事前にある程度は調べるから、「勉強!学習!」って感じではないかもしれないけど、めちゃくちゃ学びが多いね。

異なる文化・価値観に触れて気付いたこと、活かしていること

喜多(PT)

いくつものプロジェクトに関わってみてわかったことは、自分が Slack とかメールとかの返信がめっちゃ早いってことかな(笑)。意外にもメールの返信が早いだけで、すごく先方にありがたく思われるんだよね。どのコミュニティでも返信が早いことだけが取り柄なので、自分の強みは多分そこしかないなぁと思っている。
スピード感って大事だよね。

おぬ(Ns)

喜多(PT)

あとは皆が忙しいなかで、どのような段取りをすれば仕事がしやすいかとか、どのような声掛けをすればモチベーションにつながってみんなが頑張ってできるかなどは、だいぶ学んできた気がするね。本業でも忙しくて、いろんなことができないという人はいっぱいいるんだけど、そういう人たちにも上手く関われるようになったような気がするよ。

白石(Ns)

たしかに、「Slackに住んでいるのかな?」ってくらい秒速でコメント返ってくるときあるよね(笑)。私もそこは重要視するタイプなので、めちゃ助かる。メディッコ含めていくつかコミュニティーのリーダー的なポジションをしてきたからこその経験や学びだね!
喜多さんの言うように、自分の価値観とか強みがわかるのはたしかにそうかもしれないね。いつも同じ病棟のスタッフのなかで働いていると、「こういうやり方が普通だ」みたいな考えになるけど、他の病院で働いている人と話すと、違うやり方があることに気が付くもん。そして、「なるほど、自分はこれを大切にしてるんだ!」みたいなことに気が付くことがあるね。視野が広くなるという意味では、やはり今の職場だけでは得られないことも多いと思う。

おぬ(Ns)

白石(Ns)

やっぱり視野が広くなったというのが一番かな。これまでは、本当に目の前の患者さんのことでいっぱいいっぱいだったし、看護師の仕事も自分の仕事のことでいっぱいいっぱいだったけど。日本の医療ってこういう枠組みで、こういうシステムで動いているのか〜そのなかで、病院は〜という風に考えられるようになったので、小さなことで愚痴ったり、どうこうしようってことはなくなったかな。あとは、本業の看護師でもライターの仕事でも相互的に得た知識や技術を補完できることが多いなと思う。インタビューで得たスキルを、実際の患者さんへの問診や対話の場面で活用するとか。本業のスキルをライターの仕事で活かすことの方が多いと思っていたけど、今はむしろ反対のことのほうが多いかもしれない。

越境学習で大切なこと、注意したほうがいいこと

喜多(PT)

気を付けていることは、関わっている人たちに対してちゃんと連絡をすることかな。 オンライン上で顔が見えないなかでやり取りすることも少なくないので、ひと言あるだけで安心して一緒に物事を動かしたりすることができるなっていうのは常に思う。忙しくてちょっと参加できない場合とか、期日があることはちゃんと「いつまでにやるね」とか、そういうのをお互いに声かけできるようになると、すごく楽だなって。

白石(Ns)

うんうん。

喜多(PT)

自分は運営する側に回ることが多いんだけど、みんなが忙しいなかで「上手く参加できなくて申し訳ない」とか思ってんじゃないかな〜って感じることはある。 できるだけみんながそういう風に思わないようにしたいなと思っているし、そうであっても気軽に戻ってこられるような「場づくり」みたいなのは、かなり意識していると自分でも思うね。
みんな仕事しながらだから、本当に難しいところだよね〜。うまくバランスとりながらやっていきたいと思うよ。

かなこ(Ns)

僕が気を付けていることは、やっぱり楽しくやるってことかな。「学習のため!」みたいな学び方はあまり続かないと思う。「良い情報ないかな〜」ぐらいの気持ちじゃないと苦しくなると思うんだよね。仕事が終わってからもまた精神科の学習をするとか嫌だし(笑)。

おぬ(Ns)

白石(Ns)

私の場合は、取材とかしてその分野のレジェンド的な人やスペシャリティ溢れる人と対話すると、その人の考えや価値観、これまでの経験や知識や技術などを一部自分のなかにも入れ込むような感覚なので、なんだか自分がすごい人になったような気分になることがあるんだよね。だけど、それはあくまでその人の知恵をお借りしているだけであって、これを自分の実力だと勘違いしたり、頭でっかちになって知ったかぶりみたいにしたりしてはいけないな〜とは常々思っているね。

みんな、本当にさまざまな越境学習していて面白かった〜!これからも引き続き、頑張りましょう〜!