外国人患者さんへの対応どうしている?言語コミュニケーション座談会

クラーク(RT)

突然ですが皆さん。外国人患者さんとの言語コミュニケーション、スムーズにとれていますか?

え…!!??か、関西弁なら…(笑)

喜多(PT)

クラーク(RT)

(笑)どの職種でも、外国人患者さんとの関わりって悩むことがあるんじゃないかと思います。僕も現場に通訳の方がいないので、細かいことがなかなか伝わらなくて不安な気持ちになったことがありまして…。スムーズに話せるようになりたいと思って自己研鑽しています。僕がいる検査部門はある程度文言が決まっているため、よく使う言葉を一覧にしてコミュニケーションをとっていますが、それでも個人の裁量が大きいと思っています。メディッコのみなさんはどうですか?どんなケースが多いのか、どのように対応されているのか、教えてほしいです!

外国人患者さんへの対応で悩むこと

かなこ(Ns)

私は痛みの具合を聞くとき、その微妙なニュアンスがなかなかわからなくて難しいなと感じています。英語が得意な医師にお願いしちゃうことも多いですね。特にオペ直後は、患者さんも痛くてしんどいので、コミュニケーションを楽しむような伝わりやすい英語よりも、患者さんの状況がわかるように正確な英語力が求められるな~と感じることはあります。

微妙なニュアンス、難しいですよね。あるとき、英語とジェスチャーを駆使して検尿をお願いしたら、「この線まで入れて」というのがうまく伝わっていなかったようで、なみなみとした検尿カップを受け取ったことがあります…(遠い目)。

白石(Ns)

クラーク(RT)

うわぁ……(お疲れ様です)。検査は流れが決まっているので、日頃から言語の壁がない、スケールなどを活用できればいいですよね。それでも、外国人患者さんが来る機会が少ないと、用意を忘れたりします。

僕の働いている地域では、ブラジルやアジア系の方が多く、英語を使う機会は少ないかもしれません。むしろ、フィリピン出身でGoogle翻訳でも出てこない言語(ビコール語)を話す患者さんを担当したことがあって、焦ったことがあります…。なんとか第一公用語のタガログ語と簡単な英語と日本語を駆使しました。ほとんどはジェスチャーでコミュニケーションをとっていましたけど(笑)

坂場(OT)

タサモ(ME)

 Google翻訳にないパターンとは…。僕も、外国人アーティストが来日した際に、うちで透析をやったことがありました。治療中に通訳の方がいなくなってしまい、ジャスチャーで乗り切ったことをよく覚えています。本当に「OK」くらいしか言えなかった…(笑)。緊張からか穿刺も失敗してしまい、今でも苦い思い出です。

病院のエリアによっては、留学生や出稼ぎの人がいたり、外交官の人がいたりと、外国人といっても全然違いますよね。アジア系の英語にはけっこう癖があって、簡単な単語でも聞き取りにくく苦労するイメージあります。通訳の人って夜間帯にいないことが多いので、それまでに説明や同意書などの事務関係、夜のこともなるべく伝えておきたい…ってパンパンに詰め込みがちになります(笑)

白石(Ns)

クラーク(RT)

通訳さんがいるいないでは、いつもと流れが変わるんですね。それもそれで調整が大変そうです。みなさん苦労されていますね…。

▼対応についてどんな工夫をしている?

外国人患者さんへの対応頻度はめちゃくちゃ低いですが、必要なときは『SayHi翻訳』という翻訳機能アプリを使っています!

みややん(ST)

タサモ(ME)

うちは、日本医師会が提携している電話医療通訳サービスを使うことになっていますね~。

かなこ(Ns)

ここは日本だから!日本語でなんとか頑張る!というのは冗談で(笑)、院内のiPhoneに入ってる『Voice Tra』という翻訳アプリでなんとなく乗り切っています!

うちの施設はコミュニケーションカードみたいなものを作っていて、それを指差すことで訴えを確認したり、こちらから伝えたり…。難しい場合にはGoogle翻訳を活用しますね。医師は普段から英語論文を読んでいるためか、単語だけでも会話ができる人が多い気がします。それでも、医療英語は患者さんには伝わりにくいこともあって、その調整は難しいですよね。

白石(Ns)

クラーク(RT)

医療英語って部位の名前でも違うんですよね。例えば、鎖骨だと「clavicle」と「collarbone」とか。なので、コミュニケーションカードはいいですよね~。やっぱり翻訳ツールは正確なやりとりはできるかもしれないですが、会話のテンポが遅れてしまうことはネックです。カードやジェスチャーなどとうまく併用していけたらといいなと思います。今は翻訳アプリにもAI(人工知能)が入り始めて、精度が良くなりました。もっと、現場で使いやすいものが増えてほしいと思います!

▼まずはコミュニケーションをとろうと向き合う姿勢が大事

クラーク(RT)

僕自身、英会話を習っているのですが、「伝えよう」という意思が大事だと思うんです。言語コミュニケーションの一番の障壁は、恥ずかしく思うことではないかと。外国人患者さんは英語を話せないことを笑ったりしないのに、こちらが恥ずかしがってしまうんですよね。拙いながらも伝えようと言葉にして、相手に伝わったかを確認する。シンプルなことだけど、高校レベルの英語力でも十分確認し合えるのではないかと思います。

ほんそれです!お互いに不便を感じることは多いと思いますけど…。こちらも頑張って調べて、相手の言っていることに耳を傾ける姿勢でいれば、笑われたり、怒られたり…クレームになるようなことはあまりないと思いますね。

白石(Ns)

クラーク(RT)

そうそう、相手に向き合う姿勢ですね!勇気を持ってほしい。以前、検査のときに外国人患者さんにメモを見せて対応したことがあるのですが、終わった後に「この方がいいよ」とメモについて言い回しを直してくれたことがあるんです!これにはビックリしました。ネイティブな方から教えてもらうなんて、こんなに有難いことはないなって思いましたね。今後も引き続き、英語の勉強を頑張っていきたいと思います!

<便利ツール紹介>

・多言語医療問診票

https://www.kifjp.org/medical/index.html

・外国人向け多言語説明資料 一覧

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokusai/setsumei-ml.html

・AI翻訳ツール「DeepL」

https://www.deepl.com/translator

・google 翻訳 アプリ

https://apps.apple.com/jp/app/google-翻訳/id414706506

・MEDI PHONE

https://www.mediphone.jp/wp/archives/177