リハケア学会で座談会! 参加者の演題を聞いてみた!【メディッコプチ①】

メディッコ学術部が、リハケア学会2019で発表してきました! その夜に開催した『メディッコプチ』(気軽に語り合うことを目的としたイベント)には、多くの学会参加者が来てくださいました。今回は、イベントレポ第1弾として、学会発表について語り合った内容を少しだけお届けします。

参加者

 増永さん(PT)
大阪の病院で働く10年目の理学療法士。学会発表は5年ぶり。障害予防の方法について模索中。

 

 ブラボーさん(OT)
作業療法士8年目。回復期5年、訪問3年。関心は作業科学や作業中心の実践、現職者教育など。

 

 喜多(PT)
理学療法士。リハケア学会は現場の熱意が溢れているので好き。4演題発表した。

 

 かなこ(Ns)
看護師。今回リハケア学会で初めての発表を経験する。

リハケア学会2019での発表内容は?

喜多(PT)

今回はお集まりいただきありがとうございます。早速ですが、皆さんが今回発表した内容について教えていただけますか?
僕は入職時から回復期、慢性期、療養、急性期と経験して、そのあと3年間訪問リハに携わり、今年の4月に回復期に戻ってきました。今回は、訪問リハの時に得られたデータを使って、効果検証を行った結果を発表させてもらいました。

増永さん(PT)

僕はポスター発表で、当事業所の訪問リハで働くセラピストが、それぞれどんなリハを提供しているかを調査して発表しました。

ブラボーさん(OT)

喜多(PT)

2人とも現場で働くセラピストならではの発表内容でとても良いですね!

学会発表に取り組んだきっかけは?

かなこ(Ns)

お2人とも訪問リハに関する発表なんですね! 素朴な疑問ですが、今回研究をしようと思ったきっかけはなんですか?
僕は訪問リハで働いている時、研究指導をしてくれる人がいなかったので「データ収集はちゃんとしておこう」と思い、FIMなどのデータを集めていました。それから回復期に戻ったのですが、そこには研究指導してくれる人がいたので「訪問でこんなデータを取っていたんですけど」と相談して、指導してもらいました。

増永さん(PT)

かなこ(Ns)

なるほど。研究指導してくれる人がいたことがきっかけなんですね。
そうですね。そうしたら、それなりの結果が出ていたのでよかったです。

増永さん(PT)

かなこ(Ns)

具体的にどんな内容を研究したのですか?
訪問リハの介入によって、FIMの点数が向上しているか、維持されているか、はたまた低下してしまっていないかを検証しました。

増永さん(PT)

かなこ(Ns)

へーすごいなあ。ブラボーさんは何がきっかけで研究発表したんですか?
うちの訪問リハは今までずっと直行直帰で、他のセラピストがどんな内容のリハをしているかがわからない状態でした。ずっと内容の変わらないリハを行っているかもしれないという予測があり、調査しました。すると、実際にその通りだったのです。問題提起の意味も込めて、各々がどのようなリハビリを提供しているのかを調べました。

ブラボーさん(OT)

喜多(PT)

へぇ〜それは面白いなあ!

かなこ(Ns)

え、どういうこと? 直行直帰って何?
訪問に行く際に、事業所に出勤せずそのまま1軒目の利用者さんのお宅へ向かうということです。途中で時間があれば事業所に寄ることもありますが、基本的には最後の1軒が終わったらそのまま自宅へ帰るという感じですね。

ブラボーさん(OT)

喜多(PT)

会社に行かないみたいな感じですよね。スタッフに会わなくても仕事ができちゃう感じなんですね。
そうですね。訪問リハ自体が、基本的に利用者さんのお宅で1対1でリハビリを行うので、なかなかほかのスタッフのリハビリ風景が見えにくいですよね。特に僕の職場は直行直帰なので、スタッフ間での情報交換をする機会が少ないのです。

ブラボーさん(OT)

かなこ(Ns)

あ〜なるほど! 訪問している利用者さんに、どのようなリハビリを行っているかがお互いに分からないということですね。
そうなんです。訪問リハ協会でも、家でマッサージをしたり、関節を動かしたりするだけで訪問リハが終わっているということを問題提起されていました。僕もそれはダメだと思っていて、もっと利用者さんが主体的になれるような介入をしたいと思ったので、後輩と一緒に調査したという感じです。

ブラボーさん(OT)

喜多(PT)

面白いですね! 職場に対してかなりぶっ込んだ内容だと思うんですが、止められたりしなかったんですか?
管理者とは意思疎通が取れた状態で入職したので大丈夫でしたね。現状を把握して、これからもっといい方向にしていくためにした調査なので、角は立たずにすみました。

ブラボーさん(OT)

喜多(PT)

いい取り組みだなぁ〜!
まとめ
今回は、イベントに参加してくださった皆さんの研究内容と、研究をしたきっかけについて話を聞かせていただきました。臨床で疑問に思っていることや、職場の問題提起をきっかけに取り組み始めていることがわかりました。その根底には、患者さんにより良いサービスを届けたい、という熱意が感じられます。これからも研究を頑張ろうと思えた、熱い夜でした。

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