9月からメディッコ新メンバーとなった歯科衛生士のぴかりん。
メディッコ史上初めての歯科衛生士さんで、メディッコメンバーは仕事内容に興味津々!!ということで、そんな歯科衛生士・ぴかりんに対して、メディッコメンバーが仕事や連携のあれこれを質問していきます。今回はその後編をお送りします。
前編はこちら
主なメンバー自己紹介
ぴかりん(DH)
歯科衛生士。現在まで個人病院、総合病院等、多くの場所で臨床経験を積む。歯科の重要性について広めるためにメディッコに参入!
みややん(ST)
今回初めて座談会を仕切る言語聴覚士。歯科衛生士さんは、身近なのに知らないことが多い気がして、今回仕切り役に挙手してみた!
その他、ゆかいなメンバーでお届けします!
口内炎と顎骨壊死のケアの方法は?
がん領域で働いている身からすると、歯科衛生士さんはとても身近です。院内に歯科があるので、歯科衛生士さんと話す機会もよくあります。でも実務的に、薬剤師と歯科衛生士が直接リンクするところって、そこまで経験は多くはありません…。
Fats(Ph)
ぴかりん(DH)
たしかに、直接的な繋がりはあまり想像できないかもですね。
歯科には口内炎と顎骨壊死を見てもらうことが多いのですが、基礎レベルの知識として薬剤師と共有できるものって何かありますか?口内炎になりにくい歯磨き方法や、痛みを感じにくくするための方法が知りたいです。
Fats(Ph)
ぴかりん(DH)
抗がん剤治療や放射線治療を行うと、口腔内粘膜に炎症が起こりやすくなったり、口内炎の発症が多くなったりしますね。ですが、痛みがともなう状態でも、なるべく口腔内は清潔に保っていただきたいです。なぜなら、口腔内を清潔にすることで、口内炎の炎症や発症を抑えることが出来るからです。
Fats(Ph)
ぴかりん(DH)
歯磨きの方法ですが、まずは歯ブラシの頭(毛がある部分)はなるべく小さいものを選び、硬さも「やわらかめ」を使用すると良いと思います。歯磨き粉がしみたり、痛みが強くなる場合は、歯磨き粉は使用しなくても構いません。歯ブラシを使うのも難しい場合は、ガーゼ等でやさしく口腔内の汚れを拭き取って下さい。もしくは、水や生理食塩水を使用してぶくぶくうがいを行うだけでも大丈夫です。痛みが和らいできたら歯ブラシを使用して、口腔内の清掃を行って下さい。
Fats(Ph)
ぴかりん(DH)
痛みを和らげる方法としては、口腔内を清潔に保つことは重要です。実は、早く痛みを和らげるにはこまめなうがいを行っていただくことが重要なんです。また、必要であれば痛み止めも服用するのが良いですね。食前や歯磨き前に、局所麻酔薬などを混ぜた水でうがいをして頂くのも効果的な方法になります。
こまめなうがいが良いんだ!初めて知りました!言われてみればたしかに!
みややん(ST)
ぽりま(Ph)
歯科と言えば抗菌薬と痛み止め!というイメージなのですが、最近「むやみに抗菌薬を使うな!」という国からの圧が強い気がします。何か変化はあるのでしょうか?
ぴかりん(DH)
歯科に関しては、そういった事での変化というものは特段無いように感じます。以前、巷で感染対策として「うがい薬」が話題になったことがありましたよね…。その関係で歯科医院で販売されているうがい薬やマウスウォッシュに関しての効果や説明を求められる事は多くなったようでした。
スポンジを使った口腔ケア、効果的な使い方とかあるの?
私は嚥下障害の患者さんに関わるので、嚥下訓練前に口腔ケアを行うことが多いです。口腔ケアって結構奥深いんですよね。振り返るという点も含めて、スポンジブラシを使った効果的な口腔ケアの方法を教えてください!
みややん(ST)
ぴかりん(DH)
スポンジブラシ(スワブ)は清掃にも使えるし、保湿剤の塗布にも使えます。清掃については、スポンジ部分を水で濡らし、水分を十分に絞ってから使うようにして欲しいです。そして使う時は、スポンジブラシを奥から手前に動かすようにしてください。奥の汚れを手前に掻き出してくるイメージです。舌の清掃や、口腔粘膜(内頬や下唇の内側など)口腔内全体を清掃します。この付近は汚れや食べカスなどが付着していると特に気になる部分にもなるので、口腔ケアの際にも注意して見るように心がけると良いと思います。
汚れや食べカスは虫歯の原因にもなるので、しっかりケアしていきたいですね!
みややん(ST)
ぴかりん(DH)
また、ジェル状の口腔湿潤剤を塗布するときも使えます。口腔保湿剤は口腔内乾燥が見られる方に使用すると効果的ですよ。
みややん(ST)
キャリアや職種の将来的な話
白石(Ns)
看護師はよく人手不足で大変というイメージがあるかと思います。歯医者さんはコンビニより多いって話を聞きますが、歯科衛生士さんの数、働き口とか今後のキャリアとかどういう課題があったりするんですか?
ぴかりん(DH)
正直なところ、歯科衛生士の離職率は「高い」と言われています。ご存知の通り、現在の歯科医院の数はコンビニよりも多いため、歯科衛生士の活躍の場もそれだけ多くなっています。ですがその分、院長や環境が合わなければすぐに辞めてしまう、ということも実情です。どうすれば歯科衛生士が辞めない環境を作れるか、離職率を抑えられるか、というのは歯科医院を運営するうえでも大きな課題ですね。
白石(Ns)
ぴかりん(DH)
キャリアに関しても、複数の歯科医院を掛け持ちして働く歯科衛生士や、フリーランスの歯科衛生士も存在します。多くの場所で様々なキャリアや経験を積みたい歯科衛生士は多くいるので、そういった多様な働き方を受け入れてくれるような歯科医院が増えてほしいというのも、歯科衛生士の本音ですね。
作業療法士もよく「職域」という単語を使って「これから先どのように作業療法を行っていくか」が話題になります。毎年、有資格者が増えて人材オーバーになる!みたいな話もあったりしますか?
坂場(OT)
ぴかりん(DH)
歯科医院はコンビニよりも多いですが、そこで働く歯科衛生士においては、まだまだ人数が足りていないのが現状です。人材オーバーという点だと、歯科衛生士よりも歯科医師の方が多くなっているんです…。
歯科衛生士さんが開業しているのを聞いたことがあるのですが、キャリア的にそのようなことも可能なんですか??
鳥ボーイ(Ns)
ぴかりん(DH)
開業や起業も可能だと思います。ですが、現在の日本においては、歯科医師との協働というような形での開業になります。日本ではこのような形が多いですが、海外においてはそのような事はないようです。例えばアメリカでは、州によっては歯科衛生士が自由に開業し、歯科衛生士のみでクリニックの運営を行うことも多いみたいです。それだけ歯科衛生士の仕事の重要性や地位も高く、アメリカでも人気の職種になっているようです。
まとめ
今回は、歯科衛生士の仕事を掘り下げて聞いてみました!会ったことあるし、名前は知っている職業だけど、仕事の内容は奥が深かったですねぇ…。知らないことがいくつもありました。他の人の仕事を知ると、連携が進む!疑問に思ったことは、どんどん聞いてみましょう!