医師との信頼関係を構築する方法はさまざまですが、スムーズなやり取りができるに越したことはありません。各医療職は、日々の業務でどのように医師とコミュニケーションを図っているのでしょうか?
今回、看護師、臨床工学技士、作業療法士、理学療法士、計6人のメンバーを集め、医師との信頼関係を築くためのポイントをインタビューしました!
参加者
喜多一馬(PT)
理学療法士。医師との関わり方のコツが気になり、メンバーに突撃インタビューを仕掛ける。今回の進行役。
白石弓夏(Ns)
看護師兼ライター。これまで5ヵ所の病院で勤務経験あり。小児科と整形外科が専門。医師との関係作りはオツボネ攻略よりまだマシだと思っている。
タサモ(ME)
臨床工学技士。中小病院勤務の管理職。医師から直接指示をもらうため、毎日院内を奔走している。
REN(PT)
理学療法士。10年間仕事をしていても、未だ医師に相談しにくいときがある。
須藤誠(OT)
作業療法士。大学病院勤務。医師でも誰とでも対等な関係作りを心がけている。
かなこ(Ns)
看護師。大学病院勤務。医師との良好な関係づくりは患者さんのため!と自分に言い聞かせている。
医師のタイプに合わせて接し方を考える!
喜多(PT)
今日は医師との信頼関係の築き方をお聞きしたいと思います。まず、白石さんが考えているポイントを教えてください!
私は中堅看護師なので、医師と年齢が近いことが多く、コミュニケーションは比較的取りやすいほうだと思います。でも、なかには気難しい医師もいますよね。そんなときは、その医師の性格や習性をよく観察するようにしています。
白石(Ns)
喜多(PT)
気難しい医師の特徴や、関わり方のポイントってありますか?
私が思う気難しい医師には「感情の起伏が激しいタイプ」や、そもそも「会話が成り立たないタイプ」がいます。このような医師には、話を聞いてもらえそうなタイミングを見極めた声かけや、メモを連絡手段として使用しています。医師に合ったコミュニケーションの取り方を常に考えているので、すごく気を遣っていると思います(笑)。
白石(Ns)
喜多(PT)
逆に、やり取りしやすい医師のタイプはどんな感じですか?
私とノリが同じタイプですね。例えば、身近な整形外科の先生だと「先生、これ指示ないですよー!」と、こちらからぐいぐい声をかけても、「うわ、ごめーん!」とすんなり聞き入れてくれますね(笑)
白石(Ns)
喜多(PT)
僕も、医師とノリが同じだと、遠慮なく声をかけれます! 医師のタイプが自分に合っているかどうかを早めに判断するのも大切ですね。
医師とは顔を合わせて話すことを徹底しよう!
喜多(PT)
僕は、常に医師のいる場所に出向き、直接患者さんへの指示を確認するようにしています。
タサモ(ME)
喜多(PT)
毎回医師のいる場所に行くのはすごいですね! 医師は忙しいイメージがありますが、そのような場合はどうしているんですか?
忙しい医師の場合も、必ず直接確認しますよ。診察の合間はもちろん、オペ室内や透視室の処置中でも、タイミングさえあれば足を運んで指示を仰いでいます。もちろん、緊急度の高い確認はPHSで済ませることもありますが、余程の場合のみですね。
タサモ(ME)
喜多(PT)
徹底してますね! タサモさんの職場では、みんな同じようにしているのですか?
僕の部署では、医師との連絡は看護師と臨床工学技士の代表者1名ずつで行うので、後輩たちが直接やりとりすることは少ないですね。なので、後輩が医師との信頼関係を築きにくくなってしまうのはデメリットでもあります。
タサモ(ME)
喜多(PT)
なるほど。医師と後輩の信頼関係の構築は、今後の課題になりそうですね。職場や部署によっていろいろなやり方があるんですね。
質問を通して医師との信頼関係を構築しよう!
喜多(PT)
患者さんのことでわからないことは、必ず医師に質問するようにします。僕はカンファレンスくらいしか医師と直接関わる機会がないので、そのタイミングを逃さないようにしています。
須藤(OT)
喜多(PT)
そんなことはないですね。医師にはセラピストの考えがわからないと思ってる方もいそうなので、なるべく多く質問をして、考えを伝えるようにしています。むしろ、かわいがってくれる医師もいますよ。
須藤(OT)
喜多(PT)
なるほど、そういう医師もいるんですね! 医師に何を質問すればよいかわからないというスタッフもいると思いますが、どうしていますか?
医師に何を聞いたらいいかわからないという場面はありますよね。僕は、後輩がその場で質問できなければ、聞きたいことやわからないことを後で質問できるように一緒にまとめています。そして、あとで質問できるチャンスを振ってあげますね。
須藤(OT)
喜多(PT)
それなら後輩も安心ですね! 僕自身が新卒の頃は、医師を前にすると緊張してしゃべれないことが多かったです。そういうチャンスを作ってもらえたら、頑張って質問できそうです。
短時間でのやり取りは事前準備がポイント!
喜多(PT)
僕の職場では、医師と接触する時間が少ないんです。なので、診察前の朝早い時間帯や午後の診察前に1、2件、患者さんについて相談をしに行きますね。
REN(PT)
喜多(PT)
限られた時間でも信頼関係を構築していくための工夫はありますか?
医師が診察室に来る前にカルテ情報を確認して、聞きたいことは1~2個にまとめ、だいたい30秒ほどで終わらせることですかね。円滑なコミュニケーションを図るための準備をしっかり行います。
REN(PT)
喜多(PT)
すごい! 医師に余計な時間を取らせないようにっていう誠実さが伝わるやり方ですね。
医師のタイプは雰囲気とカルテから読み取ろう!
喜多(PT)
私は、まずその医師の雰囲気を掴むようにします! 他の医師や看護師との会話を「どういう人なのかな?」と、考えながら観察しています。白石さんの意見と近いですね! 看護師はそういう人が多いのかもしれません。
かなこ(Ns)
喜多(PT)
他職種よりも医師と関わる時間が長いでしょうから、看護師さんらしい関わり方になるんでしょうね。他には何かありますか?
あと、カルテも参考になります! 大まかにしか書かない医師は、大雑把な性格かも…とか。反対に、細かく書く医師は看護師に「ちゃんとやってね」といろいろと求めてくることが多いです。そんな医師には、より丁寧に相談や連絡をするように心掛けています。
かなこ(Ns)
喜多(PT)
カルテの書き方も参考になるのですね! そこまで気にしたことはなかったです。気難しくて話しかけにくい人に関わる工夫はありますか?
ベテランとか、気後れして話しかけにくい医師もいますよね。私は、中堅の医師に味方になってもらうようにしています。会話を始めるきっかけなどで、パイプ役になってもらうんです。
かなこ(Ns)
喜多(PT)
ほう? その方法は良さそうですね! そういえば、僕も新人の頃、先輩を頼りにしていました。
私も、最初は先輩看護師にお願いしていましたよ。私は今、看護師9年目なので、後輩と医師をつなぐパイプ役になろうと頑張っています。自分がしてもらったことは、後輩にしてあげたいですから。
かなこ(Ns)
喜多(PT)
優しいですね! そんな先輩がたくさんいてくれると、後輩は助かりますね。
まとめ
今回は、各職種に医師との信頼関係の築き方を聞きしました。医師の性格や雰囲気を掴んで、タイミングを図る方法など、上手な関わり方がいくつありそうです。自分の職場に合った方法を探してみてください!
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