地味で目立たないけど大事なスキル、調整力。

こんにちは!看護師兼ライターの白石です!

最近、私が個人的に大事にしているのが「調整力」。

調整力って、一見地味で目立つスキルではないですけど、さまざまなところで働いているととても大事なスキルだなと実感します。

今回は調整力ってなんだろう、普段の私がどんなことに気をつけているのかをまとめてみました!

看護師にとっての調整力とは

「調整力」とは、さまざまな立場や考えが異なる人たちのなかで、双方の意見を聞いて橋渡しをしたり、全体共有できるようにしたり、同じ方向へ進めるようアシストすることではないかなと考えました。私は看護師ですが、普段の仕事でいうと、リーダー業務が調整力を発揮する役割だと思います。

リーダー業務といえば、メンバーが何人かいて、それぞれに受け持ち患者さんがいます。日々の業務をスムーズに進めてもらうために、医師からの指示受けや入退院の管理など、基本的には受け持ち患者さんを持たずに、メンバーのバックアップをします。メンバーもみんなのスキルが一律なわけではないし、いろんな性格の人もいます。

例えば、独り立ちしたばかりの新人さんから、テキパキと仕事ははやいけど抜けが多い中堅さん、頼りになるけど機動力に欠けるベテランさん、バランスよく仕事ができてムードメーカーな中堅さん…などなど(笑)。はたまた、それぞれに受け持っている患者さんもまた多種多様。軽症から重症まで、疾患や患者さんの性格や考え方まで違う…。リーダー業務といっても、リーダーシップを発揮するというより、マネージャーのマネジメント要素も強いように思います。そもそもチーム医療においては、看護師の役割そのものが調整役とされることもありますね。

こうしたいろんな人が関わり、うまくまとめて進めなければいけない場面って、中堅以上になるとわりとあると思います。そんなときに、必要となるのが調整力。普段、私が気をつけていることはこんなとこです。

自分を知る〜自分の立場、役割を考える〜

自分がリーダーのときもあれば、リーダーは別にいて、だけどうまく進まないときもあったりして、そういうときには自分の動きが変わってきます。「あなたの役割はこれだよ!」って言われるわけではないので、他のメンバーの動きなんかもみながら、自分が動くとどう影響するのかを考えて調整していくイメージです。

個人的に最近ハマってるアニメ「ハイキュー!!」を例に出します(笑)。ハイキュー!!では、この調整力に優れたポジションがいることを知りました。(バレーのルールに詳しいわけではないので、細かなとこ違ってたらすんません)それが「セッター」です。

セッターは味方の攻撃守備位置、相手のブロック、守備位置などをみながら、誰がここで点を取りに行くと確実なのかを考えてスパイカーにトスをあげます。そのトスひとつとっても、打つ相手によって打ちやすい位置やタイミング、本人の能力がMAXに発揮できるように誘導したりとかもするようです。このセッターの役割をみて、私が仕事上でスキルをあげたいのはこういうところだなぁと、しみじみ思ったのです。

ただ、いろんな相手に合わせたり、能力を引き出すためには前提として“あること”が大事だと思っています。それは情報収集です。

相手を知る〜情報収集〜

情報収集というと、なんだか患者さんの問診、アナムネをイメージするかもしれませんが、そんなに堅苦しいものじゃありません(笑)。私の場合はというと、この人はどんなことで喜んだり、嬉しいと思うのか、どういうことを嫌うのか、考え方や癖などを見極めるみたいなイメージでしょうか。表立って見える部分だけがその人ではないので、この人はこういうことを大事にしているのかなと思ったら、本人に確認したり、それとなく反応を見てみたりして情報をアップデートしていきます。この人はこうだと決めつけたり、押しつけたりするのではなく、あくまで推測として手探りながらコツコツとやる感じです。

それらが積み重なって、はじめて調整力がうまく発揮されるのだと思います。

相互理解とかコミュニケーションにとって、まず相手を知ることからはじめるのが大事だと、教科書などいろんなところで言われていますけど、自分も含めて案外できていなかったりするんですよね。

※少しネタバレあり

ハイキュー!!の天才セッターである影山飛雄(推しです)も、最初は協調性のカケラもなく、「俺のトスに合わせろ!」と怒鳴ったりして、”コートの王様“として名を馳せていました。だけど、話が進むにつれて(まぁ、本人なりの挫折とかトラウマとかありながら)自分自身と向き合うようになり、スパイカーに「今のトスどうでしたか?」「次はこうします」とか「こういうのどうですか?」と話をしにいくようになるんですよね…。もう、母親的目線で「とびお…成長したな…」ってまじで泣けてきます(笑)。

自分の置かれている状況を俯瞰的にみる

最後は自分の置かれている状況を俯瞰的にみることが必要です。自分のことを知って、相手のことも知ったけど、これってどこに向かってるの?全体としてはどんな状況なのかによって、動き方って全然変わってきますよね。

先にあげたリーダー業務の話で例をあげます。今日は満床だから受け持ちが多い忙しさはあるけど、入院が来ない状況で業務をまわすのと、退院がいっぱいいて、救急当番日だから緊急入院もたくさん来るかもっていう状況とでは、全然違います。

こうした俯瞰的な見方ができると、いままでの経験から先読みすることも可能です。この時間帯は入院が多くなるとか、今日のオペ患の担当は○○医師なので、勤務交代時にぶつかりそうだな…などです。あらかじめメンバーに先読みした状況を伝え、心構えや準備をしてもらっておけると、「いきなり入院きた!」「オペ迎え、勤務交代とかぶってる!」など、その場その場でバタバタすることが減るのではないでしょうか。

いろんなことがあるうち、何個かこうした先読みをして備えておけると、心の余裕が全然違うんですよね。完璧にうまくまわすのはさすがに心も身体も死にますが(笑)、できる範囲でやりくりして、無事に定時にあがれたときの達成感は格別です。(連続してリーダーやるとさすがに萎えますが)これはまじでビールうまいです(笑)。

調整力はまわりまわって自分が楽になる

調整役といってもすべて一人で抱え込んでやる必要はありません。正直あれこれ考えるのも疲れちゃうこともありますけど、まわりまわって自分が働くのが楽になったり、職場の雰囲気も良くなったりするので、こうした調整力ってとても大事だなと常々思います。

ただでさえ、いまの私はパートやフリーランスで働いていて身軽なので、ちょっと俯瞰的にみやすい立場にあるのかなと思います。だから、自ずと雰囲気が悪いな〜ってところに入り、絡んでしまった糸をほぐすようなことをこそこそやったりしています。それで少しでもみんなの仕事が、自分の仕事が楽になるといいなと。調整力、みなさんも意識してみませんか…!

執筆者
白石弓夏 (看護師)

小児科と整形外科の病棟で経験を積み、現在は看護師兼ライターとして奮闘中。病院外でも積極的に働き、いろいろ吸収している。メディッコではポジティブ担当。